一連の流れから、杉田議員とは一体どういう人物であるのかを振り返ってみました。詳細は以下から。
◆発端は新潮45の「LGBT支援の度が過ぎる」という記事
まず見てもらいたいのが発端となった「新潮45」の記事。自らもLGBTという立場から議員活動を行っている立憲民主党の尾辻かな子さんが、自民党・杉田水脈議員が寄稿した記事を問題視しました。
杉田水脈自民党衆議院議員の雑誌「新潮45」への記事。LGBTのカップルは生産性がないので税金を投入することの是非があると。LGBTも納税者であることは指摘しておきたい。当たり前のことだが、すべての人は生きていること、その事自体に価値がある。 pic.twitter.com/5EbCaMpU9D
— 尾辻かな子 (@otsujikanako) 2018年7月18日
「LGBT支援の度が過ぎる」と題した杉田氏の文章は以下のようにLGBTを「生産性がない」と断じ、税金を使う事への嫌悪感を隠さないもの。
例えば、子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のために税金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。
彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。
しかし日本のどこを振り返ってみても、LGBTに対して何らかの積極的な支援が行われているという実情はなく、多額の税金が投じられている実態もBuzzap!編集部員は寡聞にして存じません。
ここ数年で話題になったことといえば「同性パートナーシップ制度」ですが、あくまで異性愛者のカップルと同じ権利を認める制度です。異性愛者に先んじるものでも、ましてや優遇するものでもありません。「度が過ぎるLGBT支援」など、はじめから存在しないのです。
ちなみにBuzzap!編集部で調査したところ、「同性パートナーシップ制度」導入にあたって渋谷区(総予算額約858億円)が計上した予算は190万円。
税金の無駄呼ばわりされる規模ではまずなく、LGBTカップルが抱えてきた老後・相続などの法律問題をクリアできるようになるのであれば、むしろ費用対効果が高いとさえ言えます。
◆LGBTは生産性がなく支援不要=自民党の公式見解
案の定、寄稿や各ツイートが大炎上してしまった杉田議員が次に行ったのが、自民党を使った自己肯定。大臣クラスをはじめとした先輩議員が「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」などと声をかけてくれたそうです。
「他党の議員が記事を切り取って~」と、さも悪し様に編集されたかのように言っていますが、杉田議員は2015年の時点で「生産性がないLGBTに支援が不要」という考え方を堂々と披露しています。本意でなかったかのように言うのは、むしろ不誠実です。
なお、自民党でLGBTの理解促進を進めている議員たちによると、杉田議員が寄稿した内容は「党の立場も配慮し言葉を選んだもの」とのこと。つまりLGBTに関する自民党の公式見解です。
◆「殺害予告された被害者」として幕引き
口を開けば開くほど燃える状況に陥ってしまった杉田議員。本日昼に「ゲイだと名乗る人間から事務所に殺人予告が届きました」とツイートした上で一連のLGBTに関する投稿を削除し、幕引きを図る形となりました。もちろんLGBTに対する謝罪などもありません。
殺人予告は犯罪です。
しかし、もし本当に予告を行った人物がゲイで、周囲と違うことに思春期から悩みながらも生きてきた自らの人生を「生産性がない」と一蹴されたことが動機であるならば、杉田議員は己の言動を顧みるでしょうか。一連の言動を鑑みるに、結果は想像に難くないでしょう。
「杉田議員が何を書いたのか」はまともに触れず、「寄稿文に文句のあるゲイを名乗る男性から殺害予告があった」という体で殺害予告を取り上げる産経新聞。同性パートナーシップ制度を叩いていた同紙らしい卑怯さです。
なお、タレントのスマイリーキクチ氏は今回のケースについて、以下のようなコメントを発表しています。
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