二酸化炭素と水だけで作られた「ウォッカ」が発売される


ついに空気と水からお酒が造られる時代がやってきました。詳細は以下から。

アメリカ合衆国ニューヨークを拠点とするスタートアップ、Air Co.空気からウォッカを作成することに成功しました。

Air Co.の共同創始者Gregory Constantineさんによると、このウォッカは伝統的なウォッカのように麦や芋から作られておらず、そのため二酸化炭素を排出しません。

その代わりに水と空気中の二酸化炭素だけから作られており、このウォッカの瓶1本には450gの二酸化炭素が使われているとのこと。そして、この分だけ空気中から二酸化炭素が減るということになります。

同社のもうひとりの共同創始者のStafford Sheehanさんは、このウォッカの製法は植物が二酸化炭素を取り込んでブドウ糖を作る光合成をヒントにしたといいます。

Air Co.はウォッカの製造過程で小型の太陽光発電による装置を用いており、これを使って空気中の二酸化炭素を吸引し、炭素と酸素に分けるとしています。分けられた分子は水と混合され、金属ベースの触媒によって純粋なアルコールが生成されるとのこと。

これによって得られた10%のアルコールはその後96.5%まで蒸留され、その後企業秘密の工程を経て純化され、40%のウォッカとして完成されます。

このウォッカは伝統的なウォッカよりも純粋である上に、原料となる麦や芋の残留農薬などの心配もありません。

現在はニューヨーク市内の限られたバーやレストランにのみ1本65ドル(約7000円)で提供されていますが、2020年中にはより広く販売される見通しです。


同社はこのウォッカに留まらず、この空気中の二酸化炭素から作ったアルコールを用いたフレグランスやホームクリーン用品を販売していく方針です。

「二酸化炭素を排出しないプロダクト」で環境問題やウェルネスへの意識を持つ人々をターゲットにするという新しい切り口のビジネスだと考えるのが妥当ですが、気候変動が大きな問題となる中で存在感を示すことになるかもしれません。

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