空間まるごと水玉模様、新作もある草間彌生の個展「永遠の永遠の永遠」
水玉模様を作品に多く用いることで知られる、現代芸術家の草間弥生。そんな彼女の個展が現在開催中です。御年83歳という高齢にも関わらず、この個展に合わせて大判キャンバス3枚もの新作を完成させ、解説も自ら行っています。
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会場は大阪の国立国際美術館。入り口前に巨大なオブジェが飾られているので、ものすごく目を惹きます。美術館の立地からして、たまたま通りかかった人が中に入るという状況は考えづらいのですが、隣の科学館めあてでやってきた親子連れが釣られて入場するくらいの事件は起きそうな迫力を放っています。
美術館ロビーも草間彌生の作品世界に完全にジャックされています。
展示室は全館撮影禁止となっているのが常ですが、この展覧会に限っては2カ所撮影OKとなっているスペースがあります。どちらも空間ごと水玉模様に染め上げている作品なので、とても写真映えします。さほど現代アートに興味のない人でも楽しめて、かつ強烈に記憶に残すことのできるインスタレーションとなっていました。
もちろん、写真だけでは作品の魅力は断片的にしか伝えられません。空間に入って見た方が、写真で見るよりもはるかに迫力は上です。スタイロフォームのような軽い材質ではなく、金属を使って作り上げられているオブジェなので、触ってみるとその重厚さに驚きます。
展覧会のタイトル「永遠の永遠の永遠」は彼女の詠んだ詩のタイトルでもあります。切実な訴えを含む詩は、ぜひインスタレーション空間の雰囲気と合わせて体感してみてください。
その他には、新作や数十枚にも及ぶシリーズなど、多くの絵画が飾られています。作品の一部は公式サイトで紹介されています。
また、会場で借りられる機器を使って、作品を鑑賞しながら音声解説が聴けます(入場料とは別に500円が必要)。それ自体はわりとメジャーなやり方なのですが、草間彌生本人の肉声による解説が入っているのが特徴的です。
しかも彼女の歌声を収録した「ボーナストラック」まで入っている謎のお得感。その内容についての解説は控えますが、現場の風景が立ち上ってきそうな程に生々しい収録音声でした。
この解説は草間の生い立ちや思想なども含め包括的にレクチャーしてくれるので初心者には分かりやすいものの、「幼いころから水玉模様を幻視していた」などの有名な逸話を含め、決して明るい話ばかりではないので、友人同士連れだって訪れた際にはぶっちゃけ不向きです。作品世界に浸る手がかりにはなるので、1人で訪れた人向きですね。
草間彌生展自体のボリュームは濃すぎず薄すぎず、1時間もあれば見終わるかと思われます。併催の女性作家を特集したコレクション展にも草間の作品はあります。このコレクションには新進気鋭の作家の作品も多く、見応えがありました。
会期は4月8日(日)までと長期に渡っているためか適度なにぎわいで、都内の人気作家の展覧会のように行列が出来たりもせず、じっくりと楽しめます。この週末に時間のある人は足を運んでみてください。
<展示会情報>
・会場
国立国際美術館
大阪府大阪市北区中之島4-2-55【Googleマップ】
・最寄り駅
京阪電車中之島線「渡辺橋駅」(2番出口)より南西へ徒歩約5分
近隣に駅は多数あり、徒歩10~15分程度で到着するので乗り換えが便利な駅をチョイスしてください。
・観覧料
観覧料
当日:一般1,400円/大学生1,000円/高校生700円
前売・団体/一般1,200円、大学生800円、高校生500円
※本料金で「コレクション展」も観覧可能
・開館時間
午前10時~午後5時
金曜日は午後7時まで(入館は閉館の30分前まで)
・休館日
月曜日
・公式サイト
草間彌生 永遠の永遠の永遠
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