公衆無線LANサービス「docomo Wi-Fi」を展開するNTTドコモが、同社のWi-Fiスポットへの取り組みを解説しました。
2012年3月現在で25万スポットを突破しているソフトバンクモバイルや、子会社のワイヤ・アンド・ワイヤレスやUQコミュニケーションズと手を組んで積極展開に乗り出したKDDIよりも慎重な姿勢であることが見てとれる内容となっています。
(PDFファイル)
NTTドコモのWi-Fiの取組み
2012年4月16日
株式会社 NTTドコモ
総務省の公式ページに掲載されたNTTドコモによる「NTTドコモのWi-Fiの取組み」と題された資料では、同社の公衆無線LANサービス「docomo Wi-Fi」に関する施策が解説されています。
モバイルデータトラフィックの増加予測。シスコ社はスマートフォンの普及で2015年には2010年の約25倍にまで膨れ上がると見込んでいます。
NTTドコモは増大するトラフィックに対して、スマートフォン5000万台に耐えうネットワーク基盤の高度化や、Xiへの移行促進によるネットワーク容量の拡大、ヘビーユーザーへの通信速度制限を用いたトラフィックコントロール、そして公衆無線などを活用したネットワークの負荷分散(オフロード)で対応する予定。データ量だけでなく、バックグラウンドで発生する信号量に対しても適切に対応する方針。
データオフロードの例。公衆無線LANや宅内無線LAN、自宅の固定回線に接続して利用するフェムトセル(小型基地局)が例として挙げられています。
NTTドコモの公衆無線LANサービスの歴史。サービス開始当初は月額2000円の単独契約サービスでした。
現在は単独契約だけでなく、spモードなどのオプションとして月額315円で提供中。なお、現在はキャンペーン中で、2013年3月末まで無料で利用できます。
公衆無線LANサービスはNTT-BP(ブロードバンドプラットフォーム)社による共用型アクセスポイントなども活用することで、効率的に展開。
エリアの拡大は駅や空港、カフェ、ファストフード店、コンビニなどを中心にエリア化を進め、2012年度上期に3万アクセスポイントを達成した上で、ニーズを見ながら10万アクセスポイントへと拡大する予定。
さらに認知度を向上させるため、2012年3月に「mzone」から「docomo Wi-Fi」へとサービス名を変更しています。
そして公衆無線LANだけでなく、自宅でのWi-Fi利用を促進するキャンペーンも展開。spモードメールなどのサービスもFOMAやXi利用時と同じように利用できるのがポイントです。
このように基本的には先行するソフトバンクモバイルやKDDIなどと同じ展開方法ではありますが、最も異なるのが以下の部分。無線LANアクセスポイントの設置には免許が不要であることから、さまざまなアクセスポイント同士の干渉を避けることができず、高品質化には限界があるとして、過度な無線LANへの誘引を避け、あくまでユーザーの選択肢の1つとしてとどめています。
また、同社は公衆無線LANを災害時にFOMAやXiを補完するネットワークとしても活用。東日本大震災の際、NTT東日本、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTT-BP社は共同でアクセスポイントを無料開放していました。
NTTドコモが今後の継続課題としているのがセキュリティ面。なりすましたアクセスポイントやセキュリティ設定の無いアクセスポイントへの接続を防ぐことを安全対策として検討しています。
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