2年ぶりのモデルチェンジとなる第5世代「iPod touch」が10月9日に発売され、Apple初の7.9インチタブレットとして登場した「iPad mini」もまもなく発売されますが、モバイルルーターなどと組み合わせてiPhoneっぽく使ってみたい……という人も少なからずいるはず。
しかしながらこれらのモデルは発売された当初から製品寿命が短いことを運命付けられている可能性があることが明らかになりました。
◆「iPad mini」や第5世代「iPod touch」に搭載されているプロセッサ「Apple A5」
iPad miniや第5世代iPod touchには「Apple A5」と呼ばれるデュアルコアプロセッサが搭載されていますが、これは2011年に発売された「iPad 2」や「iPhone 4S」と同じものです。
◆「Apple A5」はどういう位置付けのプロセッサなのか
そして「Apple A5」は第4世代iPod touchやiPhone 4、初代iPadに搭載された「Apple A4」と比較して最大2倍のCPUパフォーマンスと最大7倍のグラフィック性能を持つとされており、従来よりも格段に進化したものであることが分かります。
しかし問題なのはiPad miniや第5世代iPod touchとほぼ同じ時期に発売された「iPhone 5」や第4世代となる「iPad Retinaディスプレイモデル」との性能差。iPhone 5に搭載されている「Apple A6」は「Apple A5」と比較してCPUパフォーマンスが2倍、グラフィック性能も2倍となっており、その差は歴然です。
さらに第4世代「iPad Retinaディスプレイモデル」に搭載されている「Apple A6X」は、第3世代「新しいiPad」が搭載していた「Apple A5X(Apple A5のグラフィック性能を2倍に強化したもの)」と比較して、CPUおよびグラフィック性能が2倍に。
つまりiPad miniや第5世代iPod touchを基準に説明すると、iPhone 5やiPad Retinaディスプレイモデルの性能は以下のように。
iPhone 5:CPU性能2倍、グラフィック性能2倍
iPad Retinaディスプレイモデル:CPU性能2倍、グラフィック性能4倍
◆製品寿命に大きく影響するiOSのアップデート
一部のメーカーを除いてOSアップデートのサイクルが短くなりがちなAndroidと比較して、Appleは数世代前の機器にもiOSのアップデートを提供しており、最新の「iOS 6」の場合、以下のようにiPhone 3GSや第4世代iPod touch、iPad 2などが対象となっています。
OSアップデート提供対象であるかどうかは「どれだけその製品を使えるか」という製品寿命の部分に影響するわけですが、しかしながら「Siri」はiPhone 4S以降・第3世代の新しいiPad以降でないと利用できない……といったように、OSアップデート対象機種であっても、必ずしもすべての新機能が使えるようになるわけではないというのが現状。また、古い世代のデバイスではアップデートを行うと動作が遅くなるおそれもあります。
そして性能面を考慮すると、iPad miniや第5世代iPod touchはiPhone 5などと発売時期がほぼ変わらないにもかかわらず、1世代前のiPhone 4Sに残された製品寿命と同程度の製品寿命しか期待できないことになるわけです。
iPhone 4と初代iPad、第4世代iPod touchで同じプロセッサを採用していたことを考えると、ここまで各モデルに顕著な差が生まれるのはいささか不思議な感がありますが、これは2年利用前提のiPhoneやiPadは製品寿命を長く、それ以外の製品は寿命をやや短めに設定することで、買い換えを促進させる意図があるのかもしれません。
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