【2013年版】UQ WiMAX・Xi・EMOBILE LTE・Softbank 4G・4G LTE徹底比較、本当に選ぶべきはどれなのか


先行していたUQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」やNTTドコモの「Xi」に続く形で、新たに「EMOBILE LTE」や「Softbank 4G」「au 4G LTE」「Softbank 4G LTE」が相次いでサービスインした2012年。

携帯各社が家庭のブロードバンド回線に匹敵する速度を実現した高速通信サービスを続々と打ち出した文字通り「モバイルブロードバンド元年」となったわけですが、それぞれのサービスのうち、本当に選ぶべきものはどれなのかを徹底比較してみました。



◆各サービスの内容は?
月額料金、契約年数、通信速度、通信量制限、人気のモバイルルーターで高速通信を利用した場合のバッテリー駆動時間など、各サービスの詳細は以下。なお、すぐさま上限に達してしまうことから月額料金については基本的に2段階定額プランを除外し、「最も安い定額プラン」を選択しています。

UQコミュニケーションズ「UQ WiMAX

最安月額料金:3880円(「UQ Flat年間パスポート」契約時)
契約年数:1年
通信方式:モバイルWiMAX
通信速度:下り最大40Mbps、上り最大15.4Mbps
通信量制限:なし
モバイルルーターの最長駆動時間:12時間(Aterm WM3800R、URoad-Aero、Mobile Slim)
備考:親会社のKDDI(au)のエリアも利用できる「Wi-Fi WALKER DATA08W」は月額4405円(プロバイダ「au.NET」利用料金込み)は2年縛り

NTTドコモ「Xi(クロッシィ)

最安月額料金:5985円+プロバイダ料金(「Xiデータプラン フラット にねん」適用時)
契約年数:2年
通信方式:LTE
通信速度:下り最大112.5Mbps、上り最大37.5Mbps(下り最大100、75、37.5Mbpsエリアも)
通信量制限:7GB(超過すると月末まで128kbpsに減速)
モバイルルーターの最長駆動時間:5時間(下り最大112.5MbpsのHW-02Eの場合。下り最大100Mbps対応のL-03Eは12時間)
備考:FOMAエリアでも利用可能。7GBを超過した場合、2GBごとに追加で2625円支払えば通信速度を維持できます。

イー・モバイル「EMOBILE LTE

最安月額料金:3880円(「LTEフラット にねん」契約時)
契約年数:2年
通信方式:LTE
通信速度:下り最大75Mbps、上り最大25Mbps(下り最大37.5Mbpsエリアも)
通信量制限:10GB(超過すると月末まで減速)
モバイルルーターの最長駆動時間:12時間(GL05P、GL06P)
備考:既存のEMOBILE G4エリアでも利用可能。通信量制限は2014年5月から適用され、10GB超過時に速度を維持するために支払う追加料金などは未定。

ソフトバンクモバイル「Softbank 4G

最安月額料金:3880円(「4Gデータ通信スペシャルキャンペーン」適用時)
契約年数:2年
通信方式:AXGP
通信速度:下り最大110Mbps、上り最大10Mbps
通信量制限:7GB(超過すると月末まで128kbpsに減速)
モバイルルーターの最長駆動時間:8.5時間(102HW)
備考:Softbank 4GエリアおよびULTRA SPEEDデータし放題エリアで利用可能。通信量制限を超過した場合、2GBごとに追加で2625円支払えば通信速度を維持できます。

◆最も安価なのは「UQ WiMAX」「EMOBILE LTE」「Softbank 4G」に
各サービスを比較する上で非常に大きなファクターである「料金」は、月額3880円でプロバイダ料金込みの「UQ WiMAX」と「EMOBILE LTE」に。新たに「Softbank 4G」も並ぶことになりますが、こちらはあくまでキャンペーン料金であるため、今後が気になるところ。

いずれも通信端末の代金を一部ないし全額負担してくれるプランを利用しても通信料金が変わらない上に、「UQ WiMAX」は2年縛りが原則の他社と異なり、1年縛りを採用。長期契約を負担に感じるユーザーに優しいサービスとなっています。

◆エリア面では800MHzでも使える「Xi」が依然優位
続いて利用できるエリアですが、対応エリア外では速度が落ちるものの、国内最大となるFOMA(3G)エリアを合わせて利用できる「Xi」に圧倒的なアドバンテージがあります。

また、2012年冬からつながりやすい「プラチナバンド(800MHz帯)のLTE」を利用したXiがサービスインしているため、都市部でも地方でも高速通信がつながりやすくなるという点は魅力ではないでしょうか。

なお、いずれの次世代高速通信サービスも現在順次エリア拡大中であるため、最新のエリア状況は公式ページを逐一チェックした方が良さそうです。

◆モバイルルーターの駆動時間が飛躍的に進化、12時間駆動モデルが相次ぐ
パソコンやタブレット端末、携帯ゲーム機、高機能音楽プレーヤーなど、無線LAN対応機器が普及する中、それらを出先でもインターネット接続できるため、高い人気を誇るモバイルルーター。

バッテリー駆動時間は使い勝手にダイレクトに影響し、駆動時間が短いモデルだと「頻繁に充電しないと通信できない」という煩わしさが生まれるわけですが、UQ WiMAXが2013年発表の新機種「Aterm WM3800R」「URoad-Aero」「Mobile Slim」で軒並み12時間駆動を可能に。

同じくイー・モバイルも「GL05P」「GL06P」で12時間駆動を実現するなど、実際の利用にあたってほぼ困ることが無いであろう、半日駆動するルーターが当たり前となりつつあります。

UQ WiMAXの「Uroad-Aero(左)」「Aterm WM3800R(右)」本体。WiMAXの送信出力を2倍に向上した「WiMAXハイパワー」に対応したほか、大幅な薄型・小型化を実現しています。

microSDに保存したデータを無線LAN機器間で共有できるなどの高い使い勝手はそのままに、12時間駆動を実現したイー・モバイルの「GL06P」。3560mAhという圧倒的な大容量バッテリーを駆使することで長時間駆動を実現しました。

◆大事な通信量制限、固定回線代わりに利用する場合は要注意
これらのサービスを比較する際、実は最も大きな要素となるのが「通信量制限」という側面。

次世代高速通信サービスは家電量販店などタブレット端末やパソコン、ゲーム機などとのセット販売が行われているほか、一人暮らしを始めるユーザーなどに「手軽に導入できるブロードバンド回線」として売り込まれている例がよく見受けられます。

しかしながら昨今はYouTubeやニコニコ動画に加え、「Hulu」「バンダイチャンネル」などの月額制映像コンテンツ配信サービスの展開が加速。

さらにiPadやNexus 7といった人気のタブレット端末では、これらのサービスの利用に加えて、付属カメラを用いたHD画質のビデオチャットなどにも対応しており、固定回線と同じ感覚で各種サービスを利用していると、あっという間に通信量制限の上限に達する可能性があるわけです。

かつて通信量制限が最も厳しく、業界最速で制限に達してしまうサービスであった「Softbank 4G」が5GBから大手3社のLTEサービスと同じ7GBに制限を緩和しましたが、固定回線代わりに利用するのであれば、やはり2014年5月まで無制限(以降は10GB制限)で利用できる「EMOBILE LTE」やそもそも通信量制限を課していない「UQ WiMAX」を選んだ方が賢明なのではないでしょうか。

◆ユーザーによってはスマートフォンのテザリングも検討するべき
ここまではモバイルルーター中心の話でしたが、もう一つの選択肢として挙げられるのがスマートフォンのテザリング。

iPhone向けの特別な料金プランや「月々サポート」「毎月割」「月月割」といった機種ごとの割引があるため、単純な料金比較は難しいものの、スマートフォンのバッテリー容量の増大や、最後発となるソフトバンクモバイルが解禁したことで、2012年版の記事とは異なり、テザリングが選択肢としてより現実味を帯びてきました。

そしてNTTドコモやKDDIはつながりやすい800MHz帯を用いた「プラチナバンドのLTE」、ソフトバンクは自社の2.1GHz帯を用いたLTEと1.7GHz帯の「EMOBILE LTE」を併用する「ダブルLTE」を武器にしており、イー・モバイルも通信量制限が5GBとなる代わりに月額3880円でテザリングもできる「GL07S」を発売するなど、各社共に特色を押し出しつつあります。

通信量制限が7GBないし5GBとなるため、テザリングを自宅の固定回線代わりにするのは難しいところですが、「自宅に固定回線があり、外ではフィーチャーフォン+モバイルルーター」といった使い方をしているユーザーなどは、テザリングを検討してみるのもいいと思われます。

◆次世代高速通信サービス、本当に選ぶべきなのは?
以上の観点から、各ユーザーに向いている通信サービスを挙げると以下のようになりました。自分のライフスタイルに合わせた最適な通信サービスを選ぶ際の参考にしてみると良さそうです。

・全国各地を飛び回るビジネスマンや地方在住者など、特にエリアに気を使いたいユーザー
国内最大のFOMAエリアも使える「Xi」

・とにかく通信速度重視、スペックのみを追い求めるユーザー
100Mbps超えが可能な「Softbank 4G」や「Xi」

・自宅のブロードバンド代わりに使いたい、特に通信量制限を気にせず使いたいユーザー
通信量制限がない「UQ WiMAX」

・そこまでヘビーに通信しないユーザー
スマートフォンのテザリング

・安くて速くてエリアもそこそこで、長時間駆動のルーターを使いたい……という、ぜいたくなユーザー
価格とエリア、端末、通信量制限のバランスが程良い「EMOBILE LTE」
エリアでイー・モバイルに引けを取る代わりに通信量制限が無い「UQ WiMAX」

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