同人誌の多くを占めるのが、既存の漫画やアニメのキャラクターやストーリーなどを用いた「二次創作」と呼ばれるもの。
しかしながら出版社などの著作権者がお墨付きを与えることは今までほとんど無かったわけですが、なんと講談社が二次創作を公認する「同人マーク(仮)」というプロジェクトが開始されます。
「同人マーク(仮)」のデザイン案の募集のお知らせ | commonsphere
特定非営利活動法人コモンスフィアの公式ページによると、同人活動に関する著作権の意思表示ツールとして、2013年晩夏にリリースする予定の「同人マーク(仮)」のデザイン案を2013年7月17日から同月28日までの間、一般公募するそうです。
「同人マーク」は作家が一定範囲の二次創作活動を認める意思表示のマークとして構想されているもので、基本的なコンセプトとして以下の3つを含む予定。
1.作家が自分の作品について付けるもの
2.第三者による二次創作同人誌の配布を同人誌即売会で行うことを認める(ただし、デジタルデータは除く)という意思表示
3.もとの作品の全部または一部をそのままコピーして配布することは認めない(二次創作のみ許容する)
日本が参加する方針の「TPP(環太平洋連携協定)」によって著作権侵害が非親告罪化され、同人活動に大きな支障を及ぼす可能性が懸念されていますが、作家が作品にこのマークを表示すれば、コミックマーケットなどの同人誌即売会で二次創作同人誌を安心して販売できるとのこと。
なお、公募で採用された「同人マーク」については、2013年晩夏に予定されている講談社「少年マガジン」における赤松健氏による新連載の漫画作品から順次採用される予定。デザイン選考は以下の5人が担当するとされています。
赤松健(漫画家、Jコミ代表)
菅原喜一郎(講談社週刊少年マガジン編集長)
ドミニク・チェン(コモンスフィア理事)
中山信弘(明治大学特任教授、東京大学名誉教授、コモンスフィア理事長)
福井健策(弁護士、日本大学芸術学部客員教授)
ちなみに同人マークの利用は、あくまで作家側の自由意思によるもので、マークのない作品の利用について、これまでと扱いを変える意味を持つものでは無いそうです。
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