落とした財布、見つけたらあなたはどうするでしょう。こっそりネコババ?それとも正直に持ち主に返しますか?16の都市で財布を使った実験を行ったところ、世界の都市の正直さが丸分かりになってしまいました。
日本円にして5000円程の現金の入った財布が道に落ちていたら?心の中で天使と悪魔が囁きかけてきそうです。「ちゃんと持ち主に返しましょう!」「いいからネコババしちゃえよ!」。
そんな時、どちらの声に従う人が多いのか、世界中の16の都市で実験が行われました。それぞれの都市の目立つ場所12ヶ所に家族写真と連絡先、そして5000円相当の現金の入った財布が落とされま、どれだけの人が財布を持ち主に返却するかをカウントします。
その結果、192個のうち持ち主のもとに戻った財布は90個で返却率は残念ながら半数を切り47%。しかし実験を行った都市ごとに驚くほどの差が生じました。それぞれの返却数ランキングは以下のとおり。
1.ヘルシンキ(フィンランド) 11個
2.ムンバイ(インド)9個
3.ブダペスト(ハンガリー)8個
3.ニューヨーク(アメリカ合衆国)8個
5.モスクワ(ロシア)7個
5.アムステルダム(オランダ)7個
7.ベルリン(ドイツ)6個
7.リュブリャナ(スロヴェニア)6個
9.ロンドン(イギリス)5個
9.ワルシャワ(ポーランド)5個
11.ブカレスト(ルーマニア)4個
11.リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)4個
11.チューリッヒ(スイス)4個
14.プラハ(チェコ共和国)3個
15.マドリード(スペイン)2個
16.リスボン(ポルトガル)1個
全体的にテスト地がヨーロッパに偏っていますが、1位のヘルシンキはともかく2位がインドのムンバイという驚くべき結果が出ています。
調査によると、正直かどうかはその場所が裕福か貧しいかとは関係がないということ。例えば2位のムンバイにおける3000ルピーは、11位のチューリッヒにおける43スイスフランよりもはるかに現地では価値があります。また、それぞれの都市の老若男女でも正直に持ち主に届ける割合は変わりませんでした。
返却した人のコメントとして、ヘルシンキの27歳の学生Lasse Luomakoskiさんは「フィンランド人は本来正直者で、私達にとってはそれが普通です。私達は小さく、静かで結束の強いコミュニティです。汚職も殆ど無いし、信号無視もしません」とのこと。
また、ムンバイの中央郵便局で財布を拾った2児の母親のVaishali Mhaskarさんは「私は子供たちに正直であれと教えている。私の両親が私にそう教えたように」と述べています。
もちろんこの実験だけで全てを測ることはできませんが、コメントを読むと正直さが貴賎によってもたらされるのではなく、それぞれの都市が属する社会のあり方や宗教、思想的な信条などに強く影響されているように見受けられます。
果たしてこの実験が東京で行われたら、一体どれだけの財布が持ち主のもとに戻るのでしょうか?
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