耳が全く聴こえないことから「現代のベートーヴェン」として有名で、昨日ゴーストライターがいたと報道された作曲家の佐村河内守さん。損害賠償を含め大問題となっていますが、公開された作曲指示書がすごいと大きな話題になっています。
全聾作曲家・佐村河内守の別人作曲騒動、問われる違法性、損害賠償請求の可能性も(1 2) ビジネスジャーナル
佐村河内守さん 曲、別人作 作られた「物語」 - 毎日新聞
時事ドットコム:佐村河内守さん 写真特集
全聾の作曲家、佐村河内守(さむらごうち・まもる)さんが作曲したとされる楽曲を十数年前から桐朋学園大学で講師を務める新垣隆さんがゴーストライターとして作曲していたことが明らかになり、話題となっています。
佐村河内守さんは被曝2世として広島に生誕。35歳の時に聴覚を完全に失い、その後は絶対音感を頼りに作曲しているとされ、現代のベートーヴェンとの異名を持っていました。しかし実際には佐村河内さんが提案した楽曲構成、イメージを新垣隆さんが具現化するという形を取っていたため、週刊文春に『全聾の作曲家はペテン師だった!』としてスクープされることとなりました。
その際テレビ番組を通じてネット上で広まったのが佐村河内守さんが実際に使用していたとされる作曲指示書。楽譜が得意ではないとされていた佐村河内守さんが楽曲構成、イメージを伝えるために書いたとされるこの指示書がすごいと話題になっています。
(クリックして拡大)
この詳細で独特な指示書を見る限り、佐村河内守さんはふわっとしたイメージだけを伝えていた「ペテン師」であるという評価ではなく、作曲自体はしていなかったものの、一定のプロデュースは行っていたと見るのが妥当でしょう。
また、面白い問題としては「これまで佐村河内守さんが作曲したとされる楽曲で感動していた人は何に感動していたのか」という話があります。耳に聴こえていた音楽に心動かされていたのでしょうか。それとも「被曝2世」「現代のベートーヴェン」という心に響くストーリーを消費していたにすぎないのでしょうか。
実際の楽曲はこちらから。多くのコメントも収録されています。
交響曲第1番《HIROSHIMA》 佐村河内守 - YouTube
こちらは1999年発売のPS2ソフト「鬼武者」の音楽から。指揮は実際に作曲したとされる新垣隆さんです。
佐村河内守:交響組曲「ライジング・サン」 - YouTube
佐村河内守さんが今回責められるのは、共作者の存在を隠し、作曲も自分が行っていたとしてレコード会社やリスナーを騙したことですが、この事件で楽曲自体に対する評価が変化するとすれば、それ以前の音楽以外の部分から受けたバイアスを暴露する羽目にもなってしまいます。
今後佐村河内守さんの楽曲がどのような運命をたどるのか、非常に興味深いところです。なお、ソチ・オリンピックでフィギュアスケートの高橋大輔選手がショートプログラムに佐村河内守さん作曲とされた「ヴァイオリンのためのソナチネ」も本人作ではないとのことですが、変更はないとのこと。
高橋大輔「SPの曲は変更しない」 佐村河内守さん作とされた使用曲【ソチ五輪】
・16:36追記
佐村河内氏の全ろうは偽りか “影武者”新垣氏「聞こえないと感じたこと一度もない」 - 音楽ニュース一覧 - オリコンスタイル - エンタメ - 47NEWS(よんななニュース)
共同通信社の報道では、実際に作曲していた桐朋学園大非常勤講師を務める新垣隆氏が本日都内で記者会見を開き、「私の認識では、会ってから今まで耳が聞こえないと感じたことは一度もない」と証言しています。
つまり佐村河内氏の「現代のベートーヴェン」という肩書きすら虚偽である可能性が高まってきたわけですが、公式に反論する場が設けられることはあるのでしょうか。
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