本人の細胞から培養した、セックスも可能な人工膣の移植手術に成功していたことが明らかに


女性器に先天的な障がいを持つ女性に対し、本人の細胞から培養された人工膣の移植が行われ、本物同様に機能しているという驚きの報告がなされました。クローン技術の大きな進歩に繋がると考えられています。詳細は以下から。

この手術が行われたのはロキタンスキー(Rokitansky)症候群と呼ばれる原発性無月経と先天性腟欠損を主徴とする症候群を持つ4人の10代の女性に対して。自らの細胞を人工的に培養して形成された人口膣を移植しました。

手術が行われたのは2005年から2008年。その後全ての人工膣は正常に機能しており、組織診やMRIスキャンによっても人口膣が本来の膣と同じような働きをしていると研究者は述べています。

ウェイク・フォレスト・ユニバーシティ・バプティスト・メディカル・センターの再生医療研究所のAnthony Atala博士は

「この予備実験によって始めて膣が人工的に形成され、人体の内部で成功裏に機能することが示されました。このことは女性器再建手術を必要とする患者にとって新たな選択になるでしょう」


と述べています。Atala博士らは女性の筋肉と外性器の上皮細胞を培養し、1ヶ月程してから膣に似せた形に整形。その後7日ほどして患者の既存の内性器に培養した組織を移植しました。移植手術の後に、神経と血管が形成され、細胞ががこの組織を吸収するような形で膣を構成して雪、徐々に人工膣が新しい自らの組織に置き換わっていったとのこと。

4人の患者はいずれも術後の経過が良好であることを報告しています。女性の性的機能に付いても、術後は性欲や痛みのないセックスを含めて普通の性的機能を持つことができているということです。

なお、Atala博士のチームは以前にも人工組織の移植に成功しています。1998年に人工膀胱の作成を開始し、9人の子供に移植した他、尿道の移植にも成功しています。他にもテキサス・メディカル・ブランチ大学のチームが人工肺を作成し、イギリスの科学者たちは鼻や涙管、血液細胞の人工培養に向けて研究を続けています。

STAP細胞を巡るニュースで揺れる昨今の日本ですが、再生医療は着実に次のステップに入りつつあります。万能細胞がこうした再生医療と結びつけばさらなる飛躍は間違いなさそうです。

Scientists Use Women’s Own Cells to Create Lab-Grown Vaginas

Lab-Grown Vaginas Function in Patients Discovery News


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