あの天安門事件から今日で25年。これを記念してショッキングな作品を公開した北京在住の中国系オーストラリア人アーティストが公安当局に逮捕されました。
この作品を作成、公開したのは北京市内に住む中国系オーストラリア人のアーティストGuo Jianさん。Guoさんは中国南西部の貴州省に生まれ、17歳で人民解放軍に入り、1979年からは中越戦争に送られました。この時は戦闘には直接参加しておらず、兵士の戦意高揚のためのプロパガンダポスターを作成していました。
Guoさんは軍隊を辞めた後、北京の中央民族大学でファインアートを学び、27歳の時に天安門事件が発生します。この時民主主義推進運動のサポーターでもあり、ハンガーストライキにもさんかしていたGuoさんは激しく引き裂かれることになります。
「私はかつて兵士であり、かつて学生でもありました。私は双方に自分の姿を見出すことになったのです。ふたりの私がそこにいました」
「それまで軍隊は愛すべき存在であると考えていましたが、天安門事件の時、彼らは命令されれば私たちを殺すことを理解しました。彼らがどのようにしてこの機関を作り上げていったのか?彼らは女性をその一部分として使うのです。私(軍隊を題材にした作品の中で)、その危険な文化が過去に存在しただけでなく、現在も中国に存在していることを人々に知ってほしいのです」
1992年にGuoさんはオーストラリアに移住し、市民権を獲得します。その後13年間のオーストラリア在住期間を経てGuoさんは北京へと舞い戻りました。
今回の作品について、Guoさんはその制作を秘密にしており、5月30日のFinancial Timesの取材の時に作品の存在が公にされました。この記事が公開された後の6月1日の夜に当局に勾留されています。
Lunch with the FT Guo Jian - FT.com
Guoさんは友人にテキストメッセージを送信しており、それによると現在北京郊外の拘置所に入れられており、15日以内釈放されると担当官から説明されたとのこと。また、友人によると
「彼の作品は挑発的なものであったし、現在中国は天安門事件25周年を向かえて厳戒態勢に入っているため、それがこの逮捕に影響しているだろう。Guoはこの作品を作ることによって引き起こされるリスクを非常によく理解していたと思う」
「この作品は天安門での大虐殺を記念するために作られたものだ。彼はこの作品については甘いことは考えていない。逮捕されることも覚悟の上だっただろう」
としており、現在の逮捕も想定内であったと見られます。中国の民主化問題に直結する大きな節目であるだけに、安否が気遣われます。
Chinese-Australian artist Guo Jian held ahead of Tiananmen anniversary - CNN.com
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