初見殺しが多すぎるソフトバンクの「落とし穴」を振り返ってみた


auに対抗して10GBのパケットパックを値下げしたものの、「通信制限を課せられずに10GB使うには毎日きっかり333MB使うように調節しないと無理」という、非常に厄介な落とし穴があったソフトバンク。

このようなケースは今に始まった話ではありませんが、過去にどれだけあったのかを軽くまとめてみました。

◆かつてはモバイルルータ周りに多かった落とし穴
ソフトバンクが提供する「あれ?」と思わせるプランをBUZZAP!で取り上げ始めたのは2012年の頃。

同社は当時高速通信「AXGP」に対応したモバイルルーターについて、競合するUQ WiMAXやイー・モバイルに価格面で対抗するため、各種キャンペーンを展開していましたが、「値段が下がったと思ったら使える通信量も下がった」「ヘビーユーザーは適用しないほうが安い」など、注釈部分を含めて読み込まないと分からないことが多い内容でした。

Softbank 4Gが月額3880円になる「4Gデータ通信バリューキャンペーン」が分かりづらい

下り最大110Mbps対応の「ULTRA WiFi 4G 102HW」ようやく発売、「新スマホセット割」には要注意

同年発売されたモバイルルーター「ULTRA WiFi BB SoftBank 101SB」にもちょっとした落とし穴。バッテリー駆動時間が2.6時間とされていますが、注意書きに「電波を正常に受信できる静止状態での平均的な利用時間です。使用環境などにより、ご利用時間が半分以下になることがあります」という、とんでもない文言がありました。

◆傘下となったイー・モバイルからも一筋縄ではいかないプラン登場
さらにソフトバンクグループ傘下になったイー・モバイルも、2013年からソフトバンク回線を使った新料金プラン「EMOBILE 4G-S」を「Nexus 5」などに提供しましたが、こちらもなかなかのクセモノ。

当初発表された内容では契約2年後にパケット料金が3880円から4935円に上がり、基本使用料(980円)2年間無料も切れて月額使用料が2000円ほど上がるにもかかわらず、利用できるデータ通信量が5GBから3GBに減らされるという、時限爆弾のような内容でした。

上記の内容は後ほど改善されたものの、従来のイー・モバイルユーザー向けプランと以下のような部分も異なっており、同じブランドで展開されるサービスであるにもかかわらず、注意点が非常に多くなっていました。

・EMOBILE 4G-S契約以外のイー・モバイルユーザーは無料通話の対象外
・EMOBILE光やADSLサービスは利用不能
・メールアドレス「○○○@emobile.ne.jp」引き継ぎ不可
・家族間通話無料はEMOBILE 4G-Sユーザー間のみ

【追記あり】「Nexus 5」はイー・モバイルから発売、ただし落とし穴だらけの「EMOBILE 4G-S」契約に

◆究極系となった「VoLTE時代の革新的な新定額サービス」
そして極めつけが今年1月に携帯各社に先駆けて発表された新料金プラン。「1回5分以内の通話が月1000回無料、データ通信は7GBまで」といった内容でしたが、なんと「月額300円のオプションプランを申し込まないと、規定の通信量を超過しても通信はカットされず、通信したデータ量に応じて追加料金が自動課金される」という仕組みでした。

各パックで大容量通信した場合のパケット料金をグラフにするとこんな感じになります。

ソフトバンクはこのプランについて「帯域を圧迫するようなごく少数のユーザーへの抑止力」としていましたが、このご時世に「パケ死」が復活してしまったことに驚いた人も多いのではないでしょうか。

幸い同プランはNTTドコモが打ち出した完全通話定額付きの新プラン「カケホーダイ&パケあえる」によって立ち消え、ドコモのプランをほぼ丸コピーした「新スマ放題」となってスタートすることが告知されましたが、ここでもまた一波乱。

「3日間で1GB以上通信すると通信速度を3G以下に落とすという速度制限までも家族でシェアすることになる」とソフトバンクの広報担当が答えたことで、ネット上は阿鼻叫喚の様相を呈しました。

ソフトバンクの新「スマ放題」に思わぬ落とし穴、3日間で1GB制限も家族でシェアすることが明らかに→SB側の間違いでした

◆格安スマホにも仕込まれる地雷
また、NTTドコモなどの回線を使ったMVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する格安スマホがにわかににぎわう昨今ですが、ソフトバンク傘下のウィルコムも「本体代込み、7GBを月額1980円で使える」という触れ込みの格安スマホを家電量販店で展開中。

在庫処分の意味合いが強いとはいえ、これはリーズナブルではないか……と思いきや「LTEやAXGPなどには対応しない3Gスマホ」「テザリングは最大400kbpsのPHS回線のみ利用可能」「1年半遅れのスペック」と、「7GB使える」という売り文句に対して、非常に微妙な性能に。

それだけでも十分考えものですが、同スマホの料金プラン「ウィルコムプランD+」の契約期間が36ヶ月であるのに対し、月額1980円で利用できるのは24ヶ月間のみ。25ヶ月目からは本来の料金(934円+300円+5700円=6934円)となり、支払額が一気に3倍に跳ね上がった挙げ句、36ヶ月以内に解約する場合、9500円の違約金を支払う必要があるという、「罠」としか言いようがない内容でした。

7GB使えて本体代込み月額1980円、ウィルコムの格安スマホに潜む大きな罠

◆思いのほか多い注意点、よくよく検討した上で契約を
ほかにも「3日間で1GB以上通信した場合、通信速度が丸一日3G以下にまで引き下げられる」「ブラウジングしているページのデータサイズが常に圧縮される」など、ユーザーに気付かれづらいところに思わぬ落とし穴があるソフトバンクや同グループ各社のサービス。

ここまで分かりづらいと、ユーザーは分からないまま使い続けてしまえるのかもしれませんが、もし契約してしまった後に気付いても文字通り「後の祭り」であるため、なるべく気を付けたいところです……。

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