Galaxy S5の微妙なカメラ、日本メーカーが協力を拒んだ結果であることが明らかに

画角が狭く、手ブレにもあまり強くないなど、BUZZAP編集部で行ったカメラの画質比較で微妙な結果となっていたSamsungの最新機種「Galaxy S5」ですが、その理由が明らかになりました。


「スマホの巨人」サムスンに誤算 部品調達滞る  :日本経済新聞

日本経済新聞社の報道によると、Samsungの2014年4~6月期決算が前年同期比24%減の7.2兆ウォン(約7200億円)、売上高も前年同期比10%減となり、9年ぶりの減収減益となったそうです。

主力シリーズの最新モデル「Galaxy S5」を発売した時期であるにもかかわらず、減収減益となったことのインパクトは大きく、同社の営業利益のおよそ7割を稼いでいたスマートフォン事業が失速したことを際立たせる内容となっています。

また、Galaxy S5は高級感を出すために金属筐体を採用する予定でしたが、部材メーカーから必要な数を調達できず、従来と同じ樹脂製になり、金属筐体を採用できたHuaweiなどに見劣りしてしまう結果に。

さらにGalaxy S5にデジカメ並みの手ブレ補正機能を実現する部品を搭載する計画があったものの、「技術がほかの競合品の開発に流用される懸念がある」という理由から日本勢が協力せず、実現しなかったことも明かされています。

Galaxy S5が手ブレに弱いことが分かるムービー。暗いところでは0.3秒の高速オートフォーカスもあまりアテにできません。

Xperia ZL2とGalaxy S5、手ブレに強いのはどっち? – YouTube

ブレ防止のためか、シャッターを押した後「写真を撮り終えるまで、端末を動かさないでください。」という表示が出てしまい、一定時間静止させられるのも難点です。

Xperia ZL2と比べてシャッターを押してからの処理が長いGalaxy S5 – YouTube

極めつけが画角の狭さ。左がXperia ZL2、右がGalaxy S5で撮影した写真ですが、同じ距離から同じ被写体を撮影したものであるにもかかわらず、Galaxy S5は非常に限られたエリアしか撮影できません。

CPUやメモリ、OSなどがほぼ横並びとなり、メーカー間の差異が薄れてきたこともあって、昨年からカメラの画質競争へとシフトしているスマートフォン。Samsungの強みは有機ELディスプレイ、プロセッサ、メモリ、フラッシュメモリ、カメラモジュール、バッテリーなどの主要部品を自前で生産することで、最新性能のスマホを安定して供給できる点にありました。

しかし世の中のニーズに沿った魅力ある製品を生み出せず、売れ行きが鈍るのであれば、「液晶一本足打法」で苦しんだシャープのように、生産設備が重い負担に転じてしまうリスクも抱えているわけですが、はたしてSamsungはどのような「次の一手」を打ち出してくるのでしょうか。

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