マイクロソフトが7月17日に過去最大となる1万8000人の人員削減を行うことを決定し、うち1万2500人が傘下に収めた携帯電話メーカー・NOKIAの社員であったことは衝撃をもたらしましたが、背景にモバイル事業に関する大きなシフトチェンジが影響していることが明らかになりました。
Commentary: Microsoft moves to eliminate Nokia
この記事によると、マイクロソフトは大規模なNOKIA社員のレイオフに加えて、「Nokia Asha」「Nokia series 40」「Nokia X(Androidベースのスマホ)」などのブランドを終了させるだけでなく、Lumiaシリーズの名称変更を視野に入れるなど、NOKIA色を排除する可能性が浮上しているそうです。
既定路線ととらえる向きもあったため、人員削減については市場もそこまで驚きませんでしたが、注目すべき点は新たにマイクロソフトの最高経営責任者(CEO)に就任したSatya Nadella氏が前CEO・Steve Ballmer氏が着手したNOKIA買収を快く思っていないという部分。
NOKIAの買収はAppleのようにマイクロソフトがモバイル事業でソフトウェア・ハードウェアを垂直統合で提供できるようになることが目的でしたが、Nadella氏はあくまで「クラウドとモバイルソフトウェアサービスの革新」を追求する方針とのこと。
つまり新体制でのマイクロソフトは慣れないハードウェア事業に手を広げず、今まで手がけていたサービスをコアビジネスとして注力するよう、原点回帰を進めているわけですが、言い換えればNOKIAから取得したハードウェア部門や技術および特許は、もはやマイクロソフトの将来の発展に重要な役割を果たさないことになります。
NOKIAのブランドを10年間使用できるライセンス契約が結ばれていたにもかかわらず、一気に捨て去るなど、新体制の方針を裏付ける形となった今回の取り組み。OSの無償提供に踏み切り、スマホ・タブレットメーカーを取り込むなどしていた背景には、このような事情があったわけです。
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