アルツハイマー病の画家が描き方を忘れるまでの5年間に描き続けた鬼気迫る自画像

とある画家がアルツハイマー病にかかり、彼は自らの病期の進行を自画像の形で浮き彫りにすることを選択しました。詳細は以下から。


アメリカ人画家のWilliam Utermohlenさんは1995年にアルツハイマー病と診断され、それから絵の描き方を完全に忘れてしまう2000年までの間、5年間に渡り自らを理解するために自画像を書き続けました。

・1967年

Utermohlenさんの世界は徐々に傾き始め、地平は平坦になり、ディティールは消え去り、抽象的になっていきます。Utermohlenさんは描きながら自らの絵の技術的欠陥を自覚していたように見えたものの、修正することができなかったといいます。

・1996年

・1997年

・1998年

・1999年

・2000年

カリフォルニア大学の神経学者Bruce Miller教授によると

「アルツハイマー病はとりわけ右頭頂葉に影響を与えます。ここはものを内的にヴィジュアライズしてキャンバスに描き込むのに重要な部分です。アルツハイマー病によって作品はより抽象的になり、イメージはよりぼやけて漠然と、そしてシュールレアリスム的になってきます。微妙な美しい色彩が現れることもあります」

Utermohlenさんは2000年に絵を描けなくなって療養施設に入り、2007年に74歳で死亡しました。妻のPatriciaさんは

「人には夫は2000年に死んだと言っているの。これ以上描けなくなった時に彼は死んだの。本当に死んだのは2007年だったけど、それはもう彼じゃなかった」

と述べています。変遷する自画像と合わせ、アルツハイマー病の恐ろしさをひしひしと感じる言葉です。

Willaim Utermohlen’s Alzheimer’s Self-Portraits Oddity Central – Collecting Oddities

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