【解説】「VAIO Phone」は何故2万円高く設定してあるのか



長くにわたって期待を集めるプロモーション活動を行い、本日ついにお披露目されたものの、蓋を開けてみれば全く同じ性能・デザインのモデルが海外で先行発売されていた上に、およそ2万円も本体代金が上乗せされているなど、肩すかしの感が否めなかったVAIO Phone。

特に上乗せされた本体価格については批判的な声が多く、インターネット上では「ロゴ1文字5000円換算」などと揶揄する声がありましたが、どうしてこのようなことになったのかを考えてみました。どうやら原因は2つあるようです。詳細は以下から。

BUZZAP!編集部でVAIO Phoneに提供される専用プラン(端末代除く)を確認したところ、音声通話と制限無しのデータ定額通信がセットになって月額1980円で提供されるそうです。


日本通信が他のスマホ向けに提供している同内容のプラン「b-mobile SIM 高速定額 (音声付)」が月額2780円であるため、VAIO Phone専用プランでは毎月800円、24ヶ月間利用した場合は合計1万9200円浮く計算になります。

ここまで条件のいいプランは他では見受けられず、まさに突出して安いと言わざるを得ませんが、しかし日本通信は携帯電話会社から回線を借りてサービスを提供しているMVNO(仮想移動体通信事業者)。

回線の卸値を考えても、同社だけ突出して安い通信料金を設定することはできないため、おそらくVAIO Phone専用プラン単体では原価割れに陥っていると思われます。

つまり今回、VAIO Phoneが同一機種より2万円上乗せして発売される理由は、端末価格を引き上げることで、専用料金プランの値下げ分を回収するためではないでしょうか。

それならば専用プラン契約のSIMカードがVAIO Phone以外で利用できない理由も説明が付きますが、言い換えればVAIO Phoneは3万円程度のスマホを通常プランで契約するのと大差なく、特にリーズナブルでもなんでもありません。


また、公式ページによると、同モデルはあくまで日本通信製とのこと。

この製品は日本通信株式会社製です。VAIO株式会社がデザイン監修をしています。


日ごろSIMフリーを声高に主張してきた日本通信だけに、SIMフリーで提供されるVAIO Phone。

端末価格を大幅に引き上げた背景には、専用プランのお得感を打ち出すことに加えて、途中で他のMVNOに乗り換えられても、端末本体の売り上げで利益が出るようにする狙いもあると思われます。

しかし、かねてから端末価格と通信料金の分離を訴える一方、大手キャリアが放出した安価な白ロムユーザーを当てに成長してきた側面もあるだけに、自分が売る側に回った途端、大手キャリアと似たようなシステムを採用し、守りの姿勢に入るのはどうなのか……という気がしなくもありません。

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