「辛さ」と「旨さ」が高次結合して競い合う京都の激辛グルメ日本一決定戦「KARA-1グランプリ 2015」を堪能してきました



京都と激辛グルメ、全くイメージが湧かないかもしれませんが、昨日3月28日には既に今年で4回目となる激辛グルメ日本一決定戦が争われていました。現場の様子をレポートします。

桜の開花が宣言されたこの週末、京都には世界中から春の花咲く美しい京都を満喫しようとする観光客が溢れかえりました。


もちろん京都を訪れたのはそんなメジャーなツーリストに留まらず、以前BUZZAP!でも紹介した国際現代芸術祭RASOHIAの会場をハシゴする現代アートファンもいれば、水没と緑化に一喜一憂したIngress証人イベントに参加するエージェントもいました。


そんなピークシーズンの京都の街を尻目に、阪急電車で15分程離れた向日市の向日町競輪場に集まった人々が存在しました。そう、辛いものをこよなく愛する激辛ファンたちです。彼らが集まったのがこの激辛グルメ日本一決定戦「KARA-1グランプリ 2015」です。

ただし、このKARA-1グランプリはただ辛さだけを競う我慢大会ではありません。キャッチコピーが「『辛い』だけじゃない『旨い』だけでは物足りない!」とあるように、「辛くて旨いNo.1」を決める大会なのです。

KARA-1グランプリ2015 激辛グルメ日本一決定戦

観光客で混み合った阪急線の河原町駅から準急列車で15分程で最寄りの西向日駅に到着。そこから徒歩15分弱で会場の向日町競輪場に到着します。向日市は平安京の前の都、長岡京の置かれていた由緒正しい街ですが、京都市内の喧騒とは打って変わってひっそりと静かです。



ちょっと懐かしさを感じる風景の中を歩いて行くとところどころに看板があり、おそらくKARA-1グランプリからの帰りと思われる人々とすれ違います。みんなちょっと顔が赤く、目がそぞろに潤んでいるような気がします。余程辛かったのでしょうか。



こちらが会場の向日町競輪場。レトロな昭和の香りが漂っています。



入り口でパンフレットと投票権をもらって入場。この投票権を用いた参加者の投票に寄ってでグランプリが決まります。16時の締切までにどれだけ食べられるでしょうか。


BUZZAP!取材班が到着したのは14時過ぎでしたがかなり賑わっています。もともと競輪が開催される時にはお店が並んでいるであろうエリアを利用して開催されているため、日陰やベンチも多いのが助かります。




個性の光る地獄的なネーミングのメニューが並ぶ中でふと足が止まったのがこちらの「忍法悪魔の唐揚げ」。伊賀の「ゆめ鳥」の出店なので忍法なのがよく分かります。


「悪魔のたれ」「二度漬禁止!!」「悪魔レベル5」「悪魔レベル10」と掲示されています。レベル5デスで瞬殺されそうだという感想は大人なのでぐっと呑み込みます。


こちらが唐揚げ。ひとつそのまま食べましたが、ジューシーで非常に美味しいです。激辛にせずにこのまま食べてしまおうかと思えるレベル。これはKARA-1グランプリの特徴なのですが、かなりのお店で「辛くないバージョン」を選べたり、辛さを自分で調節することができます。「辛いの好きだけどチャレンジ系まではちょっと…」という人にも、小さな子供のいるファミリー層にもアピールする作りになっているのはさすが。


「悪魔レベル5」を食べてみました。スイートチリソースの辛い版といった味付けで、これは普通に旨いです。ビールのおつまみに最適な辛さ。辛いと旨いの両立、ナメてましたが期待できそうです。


それならと「悪魔レベル10」を汁だくで食べてみました。こちらはさすがにかなり辛いですが、味を殺さず辛い!でも旨い!という絶妙なバランス感。


次に会場を歩き回っていて見かけたのがベトコンラーメン。一度食べたいと思っていたのですが、ここで出会えるとは。しかもタイムサービス200円という超破格です。


ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、このベトコンラーメンは「ベストコンディションラーメン」の略。発売当初は南ベトナム解放民族戦線の略とされていましたがベトナム戦争の激化に伴いこの由来は次第に語られなくなっていったようです。


また、愛知県一宮市と岐阜県岐阜市の双方が発祥の地と言われていますがどちらも元祖にこだわらず、商標登録も行わずに暖簾分けをしており、現在では名古屋の台湾ラーメンと並ぶ東海地方の名物ラーメンとして知られるようになりました。今回出店されていたのは岐阜市の「萬天龍」さんで、丸ごとニンニクタイプのお店です。


こちらもラーメン自体は辛くなく、自分で辛味を足すスタイル。さてどれだけいきましょうか。


ドギャアアアアアン!!!!


ババァァァァアン!!!これは辛いです。毛穴から汗が噴き出してきます。激しく麺をすすると激しくむせます。しかしニラ、モヤシの風味がちゃんと感じられて美味。翌日仕事の人はさすがに厳しい程ゴロゴロと入ったニンニクもホクホクでした。


こちらで行列ができていたのは地元向日市の「ふうせんかずら」さんのチキン南蛮。第2回KARA-1グランプリの優勝店舗でした。もちろん並びます。



カレーも気になったのですがお腹いっぱいになってしまいそうだったので「チキン南蛮うま辛」をオーダー。


水菜が乗っていて見た目から美味しそう。そしてこの辛さの源は唐辛子ではなく山椒。京都では名物のひとつである「ちりめん山椒」を始め、薬味に山椒を使うことが多いのですが、チキン南蛮との組み合わせは初めてでした。激辛では全くないのですが、この風味はご飯にもお酒にもぴったりの旨さです。今回から地元の店舗は投票対象から外れているのですが、激辛商店街で街おこしを行う向日市の面目躍如といったところです。


ネーミングで光っていたのは「おいでや」さんの「心臓麻痺たこ焼き」。「絶対に無理をしないで下さい」「体に異常が生じても当店は一切の責任を負いません」などとキワキワな煽り文句で攻めてきます。


辛さはこちらから選べます。ブートジョロキアまでは知っていましたが、「モルガスコーピオン」「キャロライナリーパー」は初耳です。プロレス技かモンスター名にしか見えますせん。さすがにひるんで下から2番めのブートジョロキアをオーダー。


べっとりとブートジョロキアソースの塗られた禍々しく名状し難きたこ焼きがこちら。実は食べた時はそこまで辛さは感じなかったのですが、これは後効きします。痺れたようにろれつが回らなくなります。既にこの時にはかなり辛いものを食べた後だったので既に味覚がおかしくなっていたのかもしれません。


さすがにもう食べれなそうなので会場を歩き回ってみると、あちこちに面白いお店がありました。こちらはなんと金沢担々麺を100円で提供する「ラーメンとんとん」さん。昨年の優勝店舗です。チャイナドレスの売り子さんが大勢呼び込んでいて非常に目立っていました。さすがに行列が長過ぎるので様子を見ていたら売り切れで残念ながら食べられずです。


こちらの行列はなんとクレープ屋さん。別に辛いクレープを出しているわけではない普通のお店。辛いものを食べ疲れた参加者の心のオアシス的な存在になっていたようです。



こちらはとうがらしの郷、栃木県大田原市のブース。「栃木ってどこやねん…」という悲壮感溢れる自虐的なツッコミ。確かに栃木の位置を正しく答えられる関西人は和歌山県の位置を正しく答えられる関東人と同じくらいには少なそうです。


会場には多くのエコステーションが設けられていました。高校生らしきボランティアもおり、街ぐるみの企画であることが伺えます。


ゆるキャラも歩き回っていて大人気でした。こちらは向日市激辛商店街のマスコット「からっキー」。ノリノリです。


こちらは彦根総合高の生徒らが制作したもうひとりのゆるキャラ「ゆるからっきー」。かわいさを前面に打ち出しています。


協賛企業である日清のとんがらし麺の本日公開ゆるキャラ。可愛いのですが名前が不明のままでした。


こちらは安田産業のフリルレタスのゆるキャラ「リサちゃん」。メガネっ娘で魔女っ子な上にオッドアイであるなど、ぎっちり萌え要素が入ってます。中の人の動きが可愛らしかったのも高得点ですね。


そして16時に投票が締め切られ、ステージでグランプリが発表になります。今年の優勝は昨年に引き続いてのラーメンとんとんさんでした。金沢担々麺と100円という破格の値段設定、そして50人も及んだというチャイナドレスの売り子さんたちの相乗効果ということになるでしょうか。


なお、第2位にも汁なし担々麺のチャイニーズバールyunyunさんが入っており、やはり担々麺が流行となっていることが分かります。そして第3位は御料理処 青木さんの牛たんカレーライス。麺料理にご飯料理と、炭水化物と共にガッツリ食べるのが人気と言うこともできそうです。

このKARA-1グランプリ、来年は他府県での開催が決まっており、「辛い」と「旨い」を組み合わせたイベントとして日本中を回っていくことになりそうです。

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