聖書の一節が記されたキリスト教徒専用のアサルトライフルが発売されて物議を醸しています。詳細は以下から。
ライフルの製造と販売を行うSpike's Tactical社が新たに発売したAR-15アサルトライフルの名前は十字軍戦士を意味する「クルセイダー」。
マガジンにはレーザエッチングで旧約聖書の「詩篇 144:1」の文言が刻み込まれています。
Blessed be the Lord my Rock, who trains my hands for war, my fingers for battle.(ほむべきかな。わが岩である主。主は、戦いのために私の手を、いくさのために私の指を、鍛えられる)
(詩篇144-150篇より対訳引用)
他にも左側下部に十字の入った盾の紋様が刻まれており、安全装置のセーフモードが「平和(Peace)」、セミオートが「戦い(War)」、そしてフルオートが十字軍のスローガンでもある「神の欲されるままに(God wills it)」という不穏さです。
さらに元海軍特殊部隊出身のSpike's TacticalのスポークスマンBen "Mookie" Thomasさんは「これまで何度も、そして現在も世界を最も脅かしているのはムスリムによるテロだ。我々が作り上げたのはムスリムのテロリストが罪なき人々を殺したり、原理主義を押し広げるために決して使うことのできない武器である」と明言しています。
このライフルの発売に対し、在米イスラム改善協会フロリダ支部は以下のように厳しく批判。
アメリカ合衆国では2015年に入ってから既に250人以上が殺害されているが、その中にはたったひとりの自称ムスリムが含まれているに過ぎない。この銃では増大する銃問題というアメリカの本当の脅威を止める役には全く立たないだろう。これはムスリムへの憎悪と分断、暴力を助長して利益を得ようとする恥ずべきマーケティングに過ぎない。
イスラム教徒と戦った十字軍の戦士を表す名を付け、十字軍のスローガンをも刻み込んだこのアサルトライフル、深いイスラモフォビアに基づいたレイシズムの産物と言わざるを得ません。アメリカ社会はこの存在を承認するのでしょうか?
Florida man creates 'Tactical Crusader' rifle
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