Photo by Michael D Beckwith
佐賀県武雄市の図書館などで行われて問題が頻発しているTSUTAYA図書館。愛知県小牧市では住民投票でNOが突き付けられました。詳細は以下から。
愛知県小牧市では10月4日、TSUTAYAの運営会社であるカルチュアル・コンビニエンス・クラブ(CCC)に運営委託する新図書館建設の賛否を問う住民投票を実施しました。
この投票は賛成2万4981票、反対3万2352票と反対が賛成を7000票余り上回る結果となりました。投票率は50.38%。
投票結果に法的拘束力はないものの、山下史守朗市長は「一度立ち止まって、現在の計画の問題を市民と検証しながら、より良い計画になるよう進める」として、白紙撤回はしないものの計画見直しを明言しています。
小牧市は図書館老朽化を受け、新しい図書館を既存の商業施設内に解説する方針でしたが、昨年CCCとの連携を発表、約42億円掛け中心市街地活性化の目玉として名古屋鉄道小牧駅前に建設して2018年度のオープンを目指すと方針を転換していました。
これに対して市民グループらが「住民の意見を聞かないまま、私企業に図書館を委ねようとしている」として住民投票実施条例の制定を市長に直接請求していました。今回はこれとは別に市議が提出した条例が可決されての住民投票となったもの。
TUSTAYA図書館の先駆けとなった佐賀県の武雄市図書館では10年以上前に出版された実用書や埼玉県のラーメンマップなどの古書を傘下企業から大量購入し、反省のコメントを出す事態に陥っている他、地元の郷土資料やDVDが大量廃棄されたり、児童書コーナーの絵本が子供の手に届かず見栄えのいいインテリア扱いにされていること、導入した樋渡前市長がCCC関連企業の代表取締役社長に「天下り」していることなど問題が噴出しています。
誰にでも開かれた公共施設であるべき図書館に私企業の論理を持ち込むことはどこまで許されるのか。武雄市図書館のような例が続けば今後増加するとされるTSUTAYA図書館に対する反対の声もさらにおおきなものとなりそうです。
東京新聞 「ツタヤ図書館」に反対多数 愛知・小牧で建設めぐり住民投票 社会(TOKYO Web)
「“ツタヤ図書館”住民投票、反対多数で市長“計画見直し”」 News i - TBSの動画ニュースサイト
(Photo by Michael D Beckwith)
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