米シーシェパードが和解金で日本の捕鯨妨害活動を永久に中止、ただし妨害実行犯の豪シーシェパードには関係なし


Photo by Danny Webster

シーシェパードは結局ただの環境ゴロだったようです。しかし日本側の対応は正しかったのでしょうか?

◆テロリストで海賊と呼ばれる「環境保護団体」シーシェパード
海洋生物保護を名目に捕鯨船への体当たりなどの直接的な攻撃を行う過激派環境保護団体のシーシェパード。日本、カナダ、アメリカ合衆国政府からテロリストと名指しされ、アメリカ連邦高裁には海賊認定を受け、創立者のポール・ワトソンはICPOに国際指名手配されています。

しかし、そんな彼らもエコロジストを標榜する欧米の資産家や著名人から支援を得ており、さらなる支援の拡大を目指して次々と過激で目立つ暴力行為を行ってきました。近年では南極海での日本の調査捕鯨をターゲットにしている他、和歌山県太地町のイルカ漁への抗議活動も行っています。

◆しかし結局は金目当ての環境ゴロでした
そんなシーシェパードでしたが、このたび南極海で調査捕鯨をしている日本鯨類研究所と共同船舶がアメリカ合衆国の連邦地裁委に調査捕鯨の妨害活動を差し止めるよう訴えていた裁判で、日本からの和解金の支払いで、今後永久に調査捕鯨の妨害を行わないことに合意しました。

和解したのは今年8月初旬とのことで、合意内容では調査船への攻撃や安全を脅かす航行が禁止され、加えて公海上で調査船の500ヤード(約460メートル)以内への接近などが永久に禁止されています。

心底から海洋生物保護を目指しているのであれば、和解金を掴んで攻撃を止めるというのはどう考えてもあり得ない判断。シーシェパードが海洋生物保護を看板に金集めを行っている環境ゴロとしか呼べない存在であることがこの和解で明々白々に証明されたことになります。

◆日本側の対応はあり?豪シーシェパードは妨害継続を明言
ですが、本当にこれで良かったのでしょうか?ゴロツキの嫌がらせを止めるために一度金を払えば今後も別の名目を探し出してきてはまた金をせびりに来るのはこれも火を見るより明らか。イルカ漁に関して裁判になるようなことになれば、新たにまた和解金をせしめようとしてくる可能性も十分にあります。

また、悪いことにこの決定はアメリカ合衆国のシーシェパードにしか効果はありません。NHKの報道によると、実際に南極海で日本の捕鯨船を襲撃したオーストラリアのシーシェパードは「アメリカの裁判所での合意はわれわれには適用されない」「南極海のクジラを守るというわれわれの使命に影響を及ぼすものではない」とコメントし、今後も妨害活動を続ける意志を示しています。

つまり日本鯨類研究所と共同船舶は少なからぬ和解金をシーシェパードに渡したものの、実行犯の妨害活動を止める効果はありません。日本鯨類研究所は「今回の合意でアメリカの団体からオーストラリアなどにあるグループ団体への資金提供ができなくなるため、妨害活動の抑止効果が期待できる」としていますが、どこまで資金提供が禁止されるのかは未知数ですし、抜け道を完全に防げるものでもありません。

どのみち支援者が直接オーストラリアのシーシェパードに寄付をすることは止められないので、実質的な抑止効果が期待できるかはかなり疑問が残ります。「盗人に追銭」のような体たらくにならなければよいのですが…。

(Photo by Danny Webster

調査捕鯨の妨害しない 米の反捕鯨団体と合意 _ NHKニュース

シーシェパードの妨害行為「永久に禁止」 日本の調査捕鯨で和解


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