初心者には手の出しにくい魚を簡単に美味しく調理できる「湯煮」を実際にやってみました。かなりレパートリーが広がります。詳細は以下から。
シーフードの豊かな日本。しかし魚料理はコツが要る場合も多く、ちょっと敬遠しがちな人も多いのではないでしょうか?
サクで買ってきて切るだけ(とはいえコツはありますが…)のお刺身ならできるけど、焼いたり煮たりするのはちょっと大変だと考えているお料理初心者から、ちょっとしたアレンジでレパートリーを増やしたい上級者にまでオススメの調理法があります。
それが「湯煮(ゆに)」。北海道の羅臼などを中心とした伝統的な調理法なのですが、油も魚焼きグリルも使わない極めて簡単な調理法で、掃除も楽なため、誰でもさっと作ることができるのです。
使う魚はサンマやアジなどの小さめの魚からキンキやキンメダイなどまで何でもOK。切り身でも(大過ぎなければ)丸ごとでも大丈夫ですし、なんと干物でもできてしまうというので驚きです。
いくつかのサイトで作り方も紹介されていますが、基本的に3つの工程で可能。使うのは塩と料理酒のみで、完成した後にお好みでアレンジが可能です。日刊水産経済新聞の基本工程を見てみましょう。
1.魚の切身全体に薄く塩を当てる
2.鍋かフライパンで沸かした湯に、少量の酒を入れる
3.魚を入れ、沸騰しない火加減で3~5分加熱し、取り上げる
※魚に塩と酒を同時に当て、3.にしてもよい。
塩は魚の臭みを吸い出し、酒の有機酸でそれを分解、ゆでることで臭みや酸化物を洗い流すと同時に、表面のタンパク質を凝固させ、うま味は閉じ込める仕組みだ。ポイントは火加減。グラグラと湯を煮立たせれば魚の細胞も沸騰し、うま味がどんどん出てしまう。
鍋物や汁物、煮魚との大きな違いはここにあり、上手にできた湯煮ほど、ゆで汁には何の味もない。シンプルだが魚の味をしっかり感じられる料理は、特に子供受けがよいという。
「湯煮」ってナニ?/魚の理想的な調理法 - _ 日刊水産経済新聞
とのことで全ての工程に納得の理由があります。とにかく絶対に「ぐらぐら煮立たせない」ことが鉄則です。
ここまでできたらお好みのアレンジで食べましょう。ネギとポン酢の「和風」、バター醤油と黒コショウで和える「洋風」、醤油やショウガ、ネギ、豆板醤などを使った「中華風」などが紹介されていますが、スイートチリソースで和えてパクチーを散らす「エスニック風」、アボカドと共にマヨネーズとレモン汁、塩コショウでいただく「サラダ風」など、バリエーションは無限大です。
BUZZAP!調理班が湯煮のために用意したのは難易度の低そうなマダラ。スキンレスになっているのでまさに湯煮向け。
全体に塩をまぶします。軽くすり込む感じでまんべんなく。骨は取りにくかったのでこの時点では残したままです。
鍋にお湯を少なめに沸かし、料理酒を少量入れてマダラを投入。
少しずつアクを取りながら沸騰しないように気をつけつつ3~4分温めたところ。身の表面が白くぷりっとなっています。
4分強でで取り出してみました。ちょっと心配だった中まで火が通っているようです。
骨を外しながら丁寧に身をほぐしていきます。やはりちゃんと火は通っていました。
この日は叩いて潰したキュウリと共にショウガ醤油と豆板醤、白ゴマとゴマ油で和えて中華風にしてみました。このレシピなら和えてから20分程冷蔵庫で冷やしつつ馴染ませてもいいですし、湯煮を作る前にキュウリだけで和えておき、湯煮ができた時点で混ぜ込んでもよいでしょう。
食べてみると、魚の身がぷりっぷりなままでとても食感が新鮮。うま味もしっかり閉じ込められており、魚らしい味がしつつも生臭さなどは一切感じられません。魚が苦手な人にこそぜひ体験してもらいたい味わいです。
もちろん油も魚焼きグリルも使っておらず、キッチン周りの掃除も焼き魚やフライに比べて非常に楽。煮魚のように難しくもなく時間も掛かりません。おかずとしてはもちろん、家飲みの時などにちょっとしたおつまみとしても大活躍できそうです。
なかなか手が出なかった季節の魚を使って新しいレパートリーにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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