バイトをバックレた非シャイニー中年ホモが見たものは?サムソン高橋の東京レインボープライド2017写真日記その1


ワッショイ!ワッショイ!祭りだ!祭りだ!ホモ祭りだ!いや、そう言っては苦情が来るので言い直すと、ホモとレズと両刀とオカマの祭りだ!ワッショイ!変態!気持ち悪い!そんなもの誰が行くもんですか~~~!!!!

そう。一去年、某所で没られてこちらBuzzap!で拾われた「東京レインボープライド2016」のレポートが好評だったらしく、再びルポを書いてほしいとの要望があったのだが、私は一度お断りをした。ゲイライターという実質的には無職同然の生活を二年間続けた結果、私の貯金は急降下。

10代のとき以来30年ぶりに無一文になってしまい、面接を20以上落とされ続けるなどしてやっと、最低賃金に限りなく近いアルバイトという形で、なんとか立派に社会復帰を果たしたのである。

そして、薄暗い倉庫で黙々と働いてるうちに、私は心底思ったのだった。

「LGBTなんて、どうでもいい」と。

あれだ。普段、LGBTの権利を!とか訴えてる人たちは、ごく少数の本気の方々を除いたら、全員無職だ(断言)。あるいは、LGBTをネタに金儲けを企んでる人々だ。

25歳年下のバイトリーダーに舌打ちをされる日々の中では『同性婚を認めましょう』とか『職場のLGBT差別をなくしましょう』とか、マジでどうでもよくなるのだ。それよりも周りの若者の中まったく溶け込めなくて休憩時間に孤立している49歳のアルバイトの人権をなんとかしてほしい。

そんなわけで、私は東京レインボープライドの前日も薄暗い倉庫で黙々と作業をしていた。

バイトリーダー「高橋さんピッキング作業遅いっすねー」
サムソン高橋「そうっすか(ニヤニヤ)」
バ「ところで高橋さんいくつっすか?」
高「……(ニヤニヤ)」
バ「うちの母親45歳っすよ。ひょっとしてそれより年上っすか?w」
高「……(ニヤニヤ)」
バ「今までどういう人生歩んできたんっすか?w」
高「……(ニヤニヤ)」

翌日、私はバイトを無断欠勤して、今年も東京レインボープライドの取材に向かったのだった。

◆2017年5月6日(土)晴れ
バイト先から何度か着信がかかってくる携帯を電源オフし、晴れ晴れとした顔で上野のハッテン場へ、といきたいところだが苦虫をかみつぶした表情で代々木公園へと向かう。

パレード前日の今日はFESTA、ステージでの催しが中心だ。場内はすでに様々な屋台やブースが色とりどりに開設されている。

度肝を抜かれた七色のフラワー巨大ハチ公像は株式会社mixiが設置したもの。SNSコンテンツとしては落ちぶれたけどモンストが当たって良かったな!ゲーム会社としてがんばれよ!と心の中で憎まれ口を叩いたせいか、そのうちしっぺ返しを…(後述)

七色の空気戦車をかかげてmake love not warをもじったフレーズを謳うディーゼル。ホモアプリを使用中の私の気持ちを代弁してる!ブロックしないでとりあえずセックスさせて!しかし私はディーゼルって何の企業かぜんぜん知らん。想像で言うけど機関車とか?

毎年おなじみTENGAブース。BE PROUDというフレーズを見ながらオナニーするのは微妙な気持ちになると思います。

セクシャルマイノリティへのリクルーティングブース。あのー、今日バイト無断欠勤してきた中年なんですけど、新しいバイト見つけてくれませんかね?時給3000円で楽な仕事で……

レインボープライドではよく見かける寄せ書きが今年も。「自分大好き」という力強いフレーズが目を引く。ホモの人でそういうのこじらせてる症例もよく見かけるからほどほどに!

よくわからんキャラクターもいろいろいました。とりあえず後頭部に思いっきり蹴りをいれときました。

絵の上手い人がわざと幼児風に描いた感があふれてるのが計算高くていいですね。これぞLGBTのやり方です!

レインボーグッズも売ってます。この靴下とか高円寺でサイケの人がよく履いてる感じ。

柔らかいのから固いのまで、そして薄いのから厚いのまで、LGBT関連の書籍もあります。LGBTの薄い本だから、腐女子大喜びのハレンチなことばかり描いてあるはず!

しかし、mixiのレインボーハチ公モニュメントなど、規模がでかくて派手な設置もある反面、なんとなく全体的には地味なような……。数年ぶりに来た去年の印象が強すぎるのか。

あれは「レインボープライドもビンタや分裂などの紆余曲折を経て、モテないホモやブサイクなリブ釜やジャック爺さんがあれこれ言ってもビクともしない、普通のイベントになったんだな」と感服したものである。

ところで朝から何も食ってないので腹が減った。屋台で何か食おうと思っていたが、原宿駅からここまでATMを発見できなかったこともあり、250円弱しか所持していない。

いろいろ屋台を巡ってみたが、250円で腹いっぱいになりそうなものは見つけられなかった。これは弱者の切り捨てだ!

LGBTには福祉への配慮も必要なはず。釜ヶ崎の炊き出しのように、無職の中年にはフリーで食事を供するといった粋なはからいはプライド実行委員会には無いものなのか?

と、ほぼ難癖に近い逆切れでもって私は思わずツイッターに「3000円で手コキ、5000円でフェラします!」「じゃなかったら女装をノックアウト強盗して金品奪いまーす!」とつぶやいてしまった。

すると、スマホに即ポロリンと何かの反応があった。「9monで即ヤリメッセが入ったのかな?」と見ると、ツイッターと連動しているmixiから『規約に違反した投稿が見られましたので、近日中にお客様のご利用を停止いたします』との連絡があった。落ちぶれたSNSなのに仕事は早い。

あっというまに私のmixiは停止されてしまった。フケ専方面ではまだ使えるツールだったのに……。おいこらmixi!儲からないSNSでちゃんと仕事してんじゃねえよ!ゲーム事業に専念しとけボケ!

とりあえずmixiのハチ公モニュメントに小便を引っ掛けて、FESTAのステージへと向かう。お嬢さん! そこアキラが尿でマーキングしたとこ!

FESTAのステージの司会進行は女装タレントのブルボンヌとアライアナウンサーの阿部知代。ブルチヨという名前でタッグ組んで泥レスデビューすればいいのに!(すごく適当なコメント)

さすがの晴れ舞台、ブルボンヌの化粧が引くレベルで気合い入ってます。今日こそ純男さんを喰うわよ!と息巻いてるリアル女装子みたい……

こういうイベントにはナチュラルな格好で……と安易に思ってるかのような阿部知代女史のメイクとファッションにはガッカリです!これじゃまるで紅白の吉田栄作!私たちがお知代に期待してるのはこんなんじゃない!ドラァグ・クイーンもドン引きするくらいのギラッギラのスタイリングでお願い!

ニジノココロ。いい写真撮っといたからアー写で使って!

まめしば。歌謡曲カバー中心の30代40代のゲイボーカルユニット。って名前も内容もルックスもすべてがホモという言葉を具現化したような、もはや抽象的な存在感!これからもユビキタス・ホモとしての活動を期待します!

最先端ガールズ。実物のキャパシティを超えてキラキラしてる物体をアイドルと呼ぶのなら、彼女たちほどアイドルらしいアイドルはいなかった。先日の解散が残念です。

小川ハル。ピアノ弾き語りのシンガーソングライター。

猛獣クィーンズ。カラードのオネエ(本来の意味で)というTV映えしそうなキャラクター。ブレイクしてもいいのに。

チゲ子☆アンドロイドNH。私の脳では今一つ咀嚼できない存在だったが、メインの方が三橋順子先生に似ているのが収穫でした。自分で書いて「何の収穫だろう…」と思ってます。

EMPTY KRAFT。普通にかっこいいバンドでした。

司会のお二人の真の表情をうっかり撮影してしまった。新しいバイト先の上司がこの二人だったら恐怖で失禁します。

この日お会いしたLGBTセレブリティはNPOパープルハンズ運営の永易至文さんだけというショボい結果に。農作業の途中にお邪魔しました、という感じですね。

法皇様にお手紙を出そうという企画。「上野や駒込のハッテン場だとモテモテですよ。ぜひ!」と書きました。

ブラックバイトのにおいがする…

30代40代50代60代のデブで、即ヤリできるあとくされのない人を希望します!ぜいたくを言うと、都内の持ちビルの権利書を僕の名義に書き換えてくれる人とかいいな!

ビアンサイト「novianovia」のウェディングブース。小ぎれいな人たちばかりですけど、まあ、ブスはマーケティング戦略上扱いづらいですよね……

それでいうとこちらのウェディングブースの事例(左)は付き合って20年・50代と60代・住所は台東区といった感じの生々しさが最高です!ハゲまでペアルック!

セクシーDAVINCI。セクシー大道芸人だそうです。名前にたがわず、下着の股間がえらいことになってますね…

西新宿パンティーズ。24会館で結成されたとうそぶくパンティを頭にかぶったHIPHOP集団。えげつないリリックから思わずお子様を守るお母様の姿も。

レインボープライドマスコットキャラクターのトビー。とりあえず後頭部に思いっきり蹴りをいれときました。

女性のドラァグクイーン、アイハラミホ。ワキ下の色素沈着が魅力のひとつです。

女性R&Bユニット、BANANA LEMON。普通に望遠レンズの一眼カメラ担いだおっさんが追っかけてるの見て「レインボープライドもニュートラルなイベントになったな」と思いました。

カミングアウトしたシンガーソングライターの清貴。オメガトライブでもないし、黒夢でもないですからね!大ヒット曲『The Only One』を歌いながら目を潤ませるシーンも。

FESTAも終盤に差し掛かり、ああいったつぶやきを投稿してしまった手前、責任だけは果たそうと鈍器片手に女装を探してウロウロしているのだが、残念ながらなんでか今日は女装が見当たらない。本日のFESTAが人はそれなりに多いものの去年に比べて今一つ地味な理由もわかった。女装の不在ゆえだ。

去年の原稿で「女装のいないLGBTイベントを想像してみよう。世界から色が失われたような気分ではないだろうか?」と書いたが、やはり女装がいないとこんなにもレインボープライドは色褪せてしまうのだ。

なぜ本日は女装がいないのだろう。運営委員会の方針か、別にもっと実入りのいいイベントが開催されてるのか、あるいは女装のみが感染するウィルスが突然発生して皆死んでしまったのか……。

と、女装のいない世界を嘆き気に病んでいる私の目の前に、「私たちがいるわよ!」と昭和の香りをまとったカラフルなババア三人がステージに登場した。大トリの星屑スキャットだ!

ミッツ・マングローブ

メイリー・ムー

ギャランティーク和恵

三人合わせて星屑スキャット!

ほったらかしにしといた原稿を今回むりやり載せてもらったのはミッツのこの笑顔をみんなに見てもらいたいから…。去年も思ったけどなんで私はミッツを撮影するときだけカメラの腕が良くなるのか。

沖縄はじまって以来の神童と呼ばれ、東大法学部に進学し、女装へと落ち着いた、坂口杏里並みの転落人生を送ってらっしゃるメイリー・ムー。

素顔はイケメン・アート系造詣が深いという人物なのに昭和歌謡という業を背負ってしまったギャランティーク和恵。

ライバルの登場に気合いが入ったのかお色直しをしていっそう輝くブルボンヌ嬢。二代目シュガーカットはあたしよ的な表情にゴージャスPTAといった衣装。

FESTAが無事終わってレインボープライド共同代表理事のおふたり、杉山文野と山縣真矢さんのご挨拶。リッチなイケメンが憎いという理由で文野はなんでか呼び捨てにしちゃうわね……

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