既にその存在は知られるようになってきた「ふぐの卵巣糠漬け」。一歩進んで素材として調理してみました。詳細は以下から。
日本では小学生でも危険性を知っている「ふぐ毒」。その原因となるのがテトロドトキシンという物質で、一般に肝臓、卵巣、皮の毒力が強いことが厚生労働省にも指摘されています。
ふぐの卵巣のテトロドトキシンは、1個で15人前後の人間を死に至らしめるほどで、青酸カリの約100倍程の強さに匹敵するとされています。
石川県で郷土料理として、そんなふぐの卵巣を糠漬けにして食べることはしばらく前からネット上では驚きをもって語られはじめました。糠漬けによってテトロドトキシンの毒がどのように分解されるかのメカニズムに不明な点が多いことからも「いったい誰が最初に食べようと思ったのか」などと繰り返し話題になっています。
そんな「ふぐの卵巣糠漬け」(「ふぐの子糠漬け」と呼ばれることも)も、北陸新幹線の開通などもあり、徐々に全国的に知られるようになってきています。例えばJR金沢駅のリニューアルされた広大なお土産売り場ではこんな感じに名産品として並べられています。
もはやその存在だけではネタにならないならば、やはり実際に料理してみようではありませんか。ということでBUZZAP!調理班で美味しくいただいてみることにしました。
「ふぐの卵巣糠漬け」の最もシンプルな食べ方は、糠を洗い落とさずに薄くスライスしてご飯に載せたり、そのまま北陸のシュッとした日本酒をキューーっと飲む時の肴にすること。
どちらもBUZZAP!調理班実証済みの美味しさですが、さすがにこれだけで料理と言い張るのも心苦しいため、今回は販売元の公開するレシピやネット上の調理例などから、パスタを作ってみることにしました。
素材としてみると、確かにアンチョビのような使い方ができそうです。ということであれば、最もシンプルに「ふぐの卵巣の糠漬けとキャベツのペペロンチーノ」で食べてみましょう。
キャベツは多めにちぎります。芯の部分は長めに火を通すために別に分けておきます。
ニンニクと唐辛子はみじん切りに。
これが「ふぐの卵巣の糠漬け」です。表面の糠は軽くこそげ落とすだけにしています。
こんな感じにスライスします。卵がプチプチしているのが分かりますね。
フライパンにオリーブオイルを引き、弱火でニンニクと唐辛子に火を通します。焦がさないようにあくまでゆっくり香りを出します。
そうしている間に、塩を小さじ2杯入れて沸かしたお湯でスパゲッティを茹で始めます。ちょっと細めの方が合う気がします。
フライパンに「ふぐの卵巣の糠漬け」を投入。弱火のままほぐして馴染ませます。
キャベツを芯から投入。少しだけ火を強め、全体に味と香りが混じり合うようにフライパンを振ります。
こんな感じに満遍なくまぶされるようにします。
茹で上がったパスタを投入。全体的に混ぜ、味が足りないようなら少しずつ茹で汁を足して調節します。
お皿に盛ってできあがり。
フライドオニオンをまぶし、追いオリーブオイルをふぁさっと掛けてもいいと思います。
味わいとしては、確かにアンチョビの代わりとして非常に優秀です。プチプチとしたアンチョビにはない食感と風味を楽しむこともでき、バリエーションとして楽しむことができます。
気をつけなければならないのは、普段食べ慣れていないことから量の調節が難しいこと。今回は薄切りスライス2きれでライトな仕上がりになりましたが、ガッツリ風味を味わいたい人はもう1きれ入れてみてもいいかもしれません。
ただし、塩みの強さなどは製品によってもまちまちなため、食べながら試していくことになりそうです。
「ふぐの卵巣の糠漬け」は珍味としてとても美味しいのですが、スライスをちまちま食べるスタイルだとなかなか消費しきるのに時間が掛かるのも事実。アンチョビ的に使えることを頭に入れておけば、毎日の料理がさらに広がることになりそうです。
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