遺伝子組み換えされた「栄養強化キャッサバ」がアフリカを栄養失調から救う



アフリカで欠乏しがちな栄養素を遺伝子組み換えによって補給することができることになりそうです。詳細は以下から。

キャッサバは世界中の熱帯にて栽培される芋の一種。南米原産で、現在はアフリカを含めて8億人が主食としています。日本ではキャッサバの名前は知らなくとも、タピオカという形で食べたことのある人も多いのではないでしょうか?


ただしこのキャッサバ、サハラ以南のアフリカの1/3に当たる人々が摂取カロリーの半分程度を依存するほどのデンプンの塊なのですが、栄養という面では極めて優秀というわけにはいきません。

残念ながらアフリカの多くの地域で鉄分と亜鉛の不足は大きな問題となっており、ナイジェリアでは未就学児童の3/4、妊婦の2/3が鉄不足のために貧血症を患っています。

アメリカ合衆国のDonald Danforth Plant Science Centerの科学者らはジャーナル「Nature」に、遺伝子組み換えによって鉄分と亜鉛の含有量を増やしたキャッサバを開発したと報告しています。

それよると、科学者らはクレソンから鉄輸送タンパク質と鉄貯蔵タンパク質を生成する2つの遺伝子を取り出し、キャッサバの遺伝子に組み込みむことで鉄分と亜鉛を豊富に含む栄養強化キャッサバを作り上げたとのこと。

科学者らはこの栄養強化キャッサバによって、1歳から6歳の子供が必要とする鉄分の半分と亜鉛の7割を供給できると考えています。

何かと嫌われがちな遺伝子組み換え作物ですが、得体の知れない事への忌避感と目の前の栄養失調のどちらを優先すべきかを考えた時、まず見るべきは何なのか、考える大きなきっかけにもなりそうです。

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