ほのかにコズミックホラーの香りが漂いますが、正体はいったい何なのでしょうか?
中国が無人探査機「嫦娥4号(じょうが4号)」を世界で始めて月の裏側の南極エイトケン盆地にあるフォン・カルマン・クレーターの内側に着陸させたのは今年1月3日のこと。
その後月面探査車「玉兎2号」が展開され、搭載されているカメラや分析器を用いて地形や表層の鉱物資源の調査をこれまで行ってきています。
そんな「玉兎2号」は7月28日、月の8日目の昼(月の1日は地球の29日に当たる)の開始に伴って休眠期間に入ろうとしていました。これは月の昼では遮るもののない直射日光によって温度が100度を超えるため、オーバーヒートを避けるための措置。
その際クレーターのパノラマ映像上に、ミッションチームのYu Tianyi副課長がクレーターの中心部に不思議な光沢を放つジェル状の物質が存在するのを発見しました。
ジェルの形態も色彩も周囲の月の土とは全く異なっており、チーム内での議論ではそれが何かを特定することはできなかったとのこと。
このため「玉兎2号」は探査計画を変更し、この謎のジェルの調査を開始。周囲の土を調べ、可視光線の測定器と近赤外分光計を用いて物質の反射光を測定し、化学的組成を分析しているとのこと。
しかし現時点では、このジェル状の物質について中国の科学者らは情報を出しておらず、画像も公開していません。
一体この正体は何なのでしょうか?Space.comの記事内では、「月に衝突した隕石によって高温に晒された月の土がガラス状に固まったもの」との科学者の見方を紹介しています。
詳細は中国の調査結果の公表を待つしかありませんが、いったい「宇宙からの色」はどのような色彩なのでしょうか?
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