かわいい孫の写真は宝物。でも、それを勝手にSNSにアップすると法的措置にまでつながる可能性があります。
中高年のSNSユーザーとしてはこの事件、他人事ではありません。詳細は以下から。
オランダに住むひとりのおばあちゃんが、孫たちの写真を母親である娘の法的同意なしにFacebookとPinterestにアップし、削除を拒み続けたとして娘に訴訟を起こされ、SNS上からの削除を命じられました。
EUのGDPR(個人情報・個人データの扱いに関する規則)では、16歳未満の子供の写真は両親の同意があった時のみネット上に掲載することが可能です。
ですがこのおばあちゃんは、SNSのプロフィールに14歳、6歳、5歳の3人の孫の写真を母親の同意なく掲載して削除も拒み続けていたため、娘である母親は訴訟に踏み切りました。
母親は子どもたちの写真がネット上に掲載されることを望まず、公開された写真が「深刻な個人情報の侵害」だとしていました。
法廷はこの母親の主張を受け入れ、おばあちゃんに10日以内に孫たちの写真をネット上から削除するように命じ、これに反した場合は写真がアクセス可能な状態にある1日ごとに50ユーロ(約5900円)、最大1000ユーロ(約11万9000円)の罰金刑に処しました。
EUのGDPRではSNS上の写真も一般的には「自分のみ閲覧可能」「家族のみ閲覧可能」の設定の場合には適用されませんが、このおばあちゃんはさらに広い公開範囲で掲載していたとのこと。
おばあちゃんはこの判決を受けて、孫たちのプライバシーを守るために写真をSNSから削除しました。ただ1枚だけはプロフィール写真用に残したいと主張しましたが、娘はそれを認めず、その1枚も削除するように求めています。
娘が孫のことで自分の親を訴える、殺伐としているようにも見えますが、問題がSNSの写真であることを除けば昔ながらの嫁姑問題の延長とも言えそうです。
なお実際に、ネット上に子供の写真が載っていることで犯罪に巻き込まれたり不利益を被る可能性があることは現代に生きる人であれば誰もが想像できること。
中高年のネットユーザーは孫がかわいいと思うなら、その写真などの個人情報の取り扱いには十分注意する必要があります。
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