最古にして最大のマヤ文明遺跡が発見、人類の古代史を書き換える可能性も


メキシコのユカタン半島に栄えた古代マヤ文明。極めて精密な暦を持ち、天体現象を正確に観測するなど、その刺激的な謎にあふれた文明は多くの人を引き付けてきました。

そんなマヤ文明の最古にして最大となる遺跡が発見され、大きな関心を集めています。詳細は以下から。

メキシコのタバスコ州にあるアグアダ・フェニックス遺跡にて、マヤ文明で最古かつ最大の公共建築の遺跡LiDAR(航空レーザー測量)と地上探査によって発掘されました。この研究には茨城大学の青山和夫教授らも参加しており、ジャーナル「Nature」に発表されました。


今回見つかった建築物は南北1413m、東西399m、高さ15mにも及ぶ大基壇とのこと。この巨大な建築物を中心に幅50~100m、最長6.3kmに及ぶ計9本の舗装堤道が建造されており、人工貯水池が配置されていたことも判明。

これはマヤ文明で文句なしの最大規模で、建造物体積で見ればギザのピラミッドにも勝る巨大さとのことです。

この巨大な建造物が作られた理由は、多くの人が集まれる巨大な広場の存在などから、有名なマヤ文明のエル・カスティージョと同様に天文現象の観測のためと考えられます。
(編集部注:上記写真はエル・カスティージョのもの)

また発掘調査と69点の試料の放射性炭素年代測定によって、この建築物が紀元前1000年から紀元前800年にかけて建造・増改築されたことも分かっています。

これは定住生活と土器使用が始まって間もない時期で、これまで250年~950年ごろのマヤ諸王朝が確立した古典期がマヤ文明の最盛期であるとしてきた従来の学説を覆す大発見となります。

不思議なことは、マヤ文明の村の遺跡の多くがアグアダ・フェニックス遺跡よりも新しい時代のものであること。つまりマヤ文明が成熟して遺跡が作られたというよりも、この遺跡とそこでのセレモニーをきっかけとしてこのエリアに定住するようになった可能性も考えられるということになります。

加えてこの遺跡からは、例えば王や神官の彫像のような社会的な階層や格差の存在を表す遺物が発見されていません。これはエジプトのファラオのような強大な権力者の存在なしにこの巨大遺跡が作られた可能性もあるということ。

1万5000年前には人類は南米チリにまで到達し、ワカプリエタでは染色や造船の技術を持っていたことを示す遺跡も発見されています。


まだまだ発掘と調査はこれからですが、古代人類史を大きく書き換えるような発見がされてゆくことになるのかもしれません。

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