人類はとうとう超えてはならない一線を超えてしまったのかもしれません。神をAIで模倣しようともくろみ始めました。詳細は以下から。
子供時代からコーディングで天才的な才能を発揮し、現在はエンジニアでありSaviors.AIのCEOを務めるGeorge Davila Durendalさんがこの度AI版のキリストを作り上げてしまいました。
このAIは「ジェイムズ王訳」として知られる欽定訳聖書のみから言語を学習させている自然言語処理モデルで、欽定訳聖書をコピーすることなくこのスタイルを模写します。
そして、このAIキリストは3つのトピック「疫病」「独裁者」「世界の終わり」について聖書の言葉を用いて「予言」を行うのです。その内容は例えばこんな感じ。
疫病は世界の父であろう、そしてそれは聖体の主なる神の口の中に満ち溢れる我らが人々もまた同じであろう(The Plague shall be the fathers in the world; and the same is my people, that he may be more abundant in the mouth of the LORD of hosts,)
もしくはこんな感じです。
彼は彼に行き当たるであろう、そして言った、主なる神の生くるにて、彼は語られしものに満たされるであろう、彼は言った、汝は汝らがいまだ見たこともなき汝のよき働きの魂であり、しかしその奉公でもない、またある香炉、原罪の供物、その柱は彼女の父の家の遺骸に腹を立てる(And he shall come against him, and said, As the LORD liveth, that he might be fulfilled which was spoken, he said, Thou are the spirit of your good works that ye have not seen, nor any thing of the service thereof, and a certain censer, and the sin offering, and the posts thereof were displeased with the dead of her father’s house,)
お気づきの方もいるかと思いますが、このノストラダムスの大予言をさらに意味不明にしてミキサーにかけたような文章はDurendalさん本人が認めるようにランダムなもので、文法的にも間違いだらけです。
Durendalさんによると、最新版のAIキリストの「予言」はよりランダム性が下がり間違いも減りましたが、上記の文章にあるような謎めいた芸術的な雰囲気は損なわれているとのこと。
興味深いことにDurendalさんはこうした「予言」の空気感と正確で流暢な言葉遣いは両立させられないと指摘しています。これは実はAIだけでなく人間にも当てはまるのかもしれません。
AIキリストはこれまでに欽定訳聖書をベースにした6万語の文章を作り題しており、Durendalさん自身のGitHubページ上で公開されています。今後は「血」「ギリシャ」「叡智」をトピックに新たな文章を生成していくとのこと。
東日本大震災と福島第一原発事故の際、たまの「さよなら人類」がこの事態を予言していたという話が持ち上がりましたが、いつかこのAiキリストの「予言」から誰かが何かを読み解くことがあるのかもしれません。それが現実の人類にとってのデウスエクスマキナになるかはまた別の物語ですが…。
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