暗黒の洞窟に40日間、15人が時計なしで暮らす心理実験「Deep Time」始まる


自然光がなく、時間を知る術もない状態で1ヶ月以上暮らす。何も起きないはずのなさそうな実験が始まりました。詳細は以下から。

この壮大な実験Deep Timeはフランスのアリエージュ県の人里離れた巨大な洞窟の中で、自然光を浴びず、時計やスマホなどを手放した状態で8人の男性と7人の女性が40日間を過ごすというもの。

自身も実験に参加する探検家のChristian Clotさんが企画したもので、40人のボランティアが関り、現地時間3月14日に開始されました。15人はそれぞれ多数のセンサーを装備しており、外部の科学者らが状況をモニターできるようになっています。

DEEPTIME // JOUR 1 // NOUS ALLONS VIVRE SOUS LA TERRE !

Hier soir à 20h00, après une dernière journée de préparation et...

Christian Clot, explorerさんの投稿 2021年3月15日月曜日


実験に協力するパリ高等師範学校Etienne Koechlin教授は「これまでのこのタイプの時間的断絶の実験は身体の生理学的なリズムに焦点が当てられていた」と指摘。

今回はこうした状況下で人間の認知や感情機能に与える影響についての世界で初めての実験になるとしています。

参加者らは自然の光から完全に切り離され、時間を知ることのできるすべてのデバイスを手放した状態で、12度の気温と95%の湿度という環境で、手動発電の電気を用い、45mの深さから飲料水を汲み上げながら生活します。


何かをしている時に時間が実際より早く過ぎたり、なかなか過ぎなかったりという経験は誰にもありますが、実際にこうした認知上の時間と生物学的な時間の関係はどうなっているのか、時間感覚はどこからやってくるのか。

Clotさんは新型コロナに伴うロックダウンで長く孤独な時間を過ごした経験からこの実験を思いつきました。フランスでは大きな関心を呼び、多くの資金を集めて今回実現に至っています。

Un projet comme Deep Time n’est possible que parce que des personnes, de tout horizon, œuvrent dessus, pour un jour ou...

Christian Clot, explorerさんの投稿 2021年3月11日木曜日



地上の時間の運行から切り離された暗黒の中で、40日後に彼らは、そして科学者たちは何を見出すことになるでしょう。時間、闇、それとも自分自身なのでしょうか?

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