「Apple A15」「Snapdragon 8 Gen 1」のような高い処理能力と低い消費電力を兼ね備えた最先端プロセッサを実現すべく、製造プロセスの微細化競争を進めるTSMCとSamsung。
そんな2社に追いつくべく自国製半導体の実用化を目指す中国が、「アメリカの技術を使えない」制約を受ける中でかなり最先端に近い半導体を完成させたようです。詳細は以下から。
海外メディアの報道によると、中国最大のファウンドリ「SMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)」が7nmプロセスを実用化したそうです。
これは従来、同社がアメリカの技術なしで実現していた14nmプロセスを大きく上回るもの。しかし台湾TSMCの技術を緻密に丸ままコピーした結果とみられています。
微細化されるほどチップ内に収まるトランジスタの数が増えて処理能力やエネルギー効率が上がる製造プロセス。SamsungとTSMCが3nmプロセスの実用化を目指す中、7nmプロセスまで迫れたことには非常に大きな意味があります。
なお、SMICが14nmプロセス止まりだったのは、オランダのASMLが開発した「極紫外線(EUV)リソグラフィーマシン」をアメリカの制裁によって手に入れられないため。
なんと前述の7nmプロセスはEUVマシン無しで実現されていることから、中国は単純に技術をコピーしただけでなく、足りないものを自前で開発できる程度には技術力があることになります。
7nmプロセスでビットコイン採掘用のプロセッサを開発しているとされるSMIC。残念ながら現時点ではスマホ向けプロセッサなどは開発できていないようですが、さらなる微細化が進めば中国製半導体がそれなりの地位を占める未来も見えてきそうです。
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