今まででは考えられなかったような新機種を投入せざるを得なくなる日は、実はそこまで遠くなさそうです。詳細は以下から。
Appleの内部情報に詳しいことで知られるブルームバーグ紙のMark Gurman記者によると、Appleは「iPhone SEよりもっと安価な新型iPhone」が必要な状況に陥っているそうです。
同社のビジネスはiPhoneと旺盛な需要がある中国市場の2つが柱となっていましたが、昨年9月に中国が政府機関や国営企業の職員に対して外国製スマホの持ち込みや使用を禁止したことを皮切りに状況が激変。
アメリカによる過酷な制裁の中、5Gに対応した独自開発プロセッサの製造にこぎつけたHuawei最新スマホ「Mate 60 Pro」のヒットが追い打ちをかけたことでAppleの中国市場での売上高は2023年第4四半期に13%減少。これはコロナ禍以来最悪の数字で、2024年第1四半期はさらに下落するとみられています。
さらにiPhoneの売れ行きも芳しくなく、14億の人口を抱えるインドや「10代の9割がiPhone」というアメリカなど中国以外でも減少傾向にあるため、世界的に人気が陰りつつある状況です。
「Proと差別化するため、最新のiPhone 15(12万4800円)すら格安スマホ以下となる60Hz表示のディスプレイ」など、ユーザーの利便性を無視した強気すぎる姿勢が「変わりばえの無さ」を生んでいる気がしてならない近年のiPhone。
なお、実際にiPhoneの買い換えサイクルは伸びており、Apple WatchやAirPodsといった周辺機器を充実させることでAppleは収益を積み増していますが、あらかた需要を食い尽くした結果最後の切り札となる廉価版「AirPods」の年内発売が準備中と報じられています。
しかし肝心のiPhone本体が売れなければ周辺機器ビジネスも立ちゆかなくなるため、Gurman記者はiPhone SE(429ドル)よりさらに安い250ドル程度の廉価版を新興国市場向けに投入することがAppleにとって最善であると提案。ブランドイメージが損なわれない意匠が求められることから、競合他社ほど安価にはできないようです。
かつて「がらくた市場には踏み込まない」とクックCEOが述べた低価格機の発売を検討しないと成長を維持できない状況に陥ったApple。
莫大な予算と時間を投じた「Apple Car」が頓挫し、製品化にこぎつけた「Vision Pro」は高価すぎて普及が見込めず、AI分野でも後れを取るなど、新たな柱となる事業が生まれない中での「次の一手」に注目が集まります。
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