初代Nexus 7の登場を皮切りに、安価なタブレット端末が国内でも人気を博しつつありますが、なんと約5000円で買える破格のタブレット端末の開発がスタートすることが明らかになりました。
VMK Tech designs phones and tablets in Africa, for Africa, and will soon build them there too (Wired UK)
この記事によると、かつてアフリカのための低コストノートパソコンを設計することを夢見ていたVerone Mankou氏がコンゴ共和国に「VMK Tech」というメーカーを立ち上げ、スマートフォンやタブレットの販売に乗り出しているそうです。
メーカーを立ち上げるまでは資金繰りに苦戦を強いられていましたが、Mankou氏の取り組みが「Time」誌に掲載されたことで政府から支援を受けることに成功。
VMK Techは現在、コンゴ国内に工場を建設しており、今までのように中国に組み立てを委託することなく、設計から組み立て、販売までをすべて同国内で完結する方針とのこと。
2011年にVMK Techが初めて発売したタブレット端末「Way-C」。北部コンゴの方言で「星の光」を意味する同モデルは200ドルで発売されました。
スペックはこんな感じ。2011年当時と考えれば、意外と悪くありません。
ディスプレイ:WVGA(800×480)
CPU:1.2GHz
RAM:512MB
ROM:4GB(microSDHCカードで32GBまで拡張可能)
バッテリー:4200mAh
OS:Android 2.3.3
その他:Bluetooth、GPS、IEEE802.11 b/g対応無線LAN、加速度センサー
そして2012年末に発売されたスマートフォン「Elikia」。こちらは「希望」を意味しています。
スペックはこんな感じ。
ディスプレイ:HVGA(320×480)
CPU:650MHz
RAM:512MB
ROM:126MB(microSDHCカードで32GBまで拡張可能)
バッテリー:1300mAh
OS:Android 2.3.6
その他:Bluetooth、GPS、IEEE802.11 b/g/n対応無線LAN、加速度センサー
また、VMK Techは教育や保健、農業部門のために50ドルで購入できるタブレットの設計に取りかかる予定であるとされており、フランスの通信事業者「Orange」の支援を受けて来年にはDRC(コンゴ民主共和国)やルワンダ、カメルーンなどアフリカ各国で展開するとされています。
なかなか興味深い試みですが、1つ面白いのが先日発表されたGoogleの「Android 4.4(KitKat)」は512MBのメモリでも快適に動作できるという点。
安価に購入できるエントリーモデルはメモリ容量が少なく、最新OSを利用しづらいのが常でしたが、Android 4.4が登場したことで、VMK Techのような格安端末を手がけるメーカーにも追い風が吹くことになるわけです。
設計から組み立てまでを自国内で行うことにより雇用を生み出し、安価なタブレットを世に送り出すことで教育や行政、産業などの質を向上するというMankou氏のアプローチですが、貧困に苦しむアフリカ社会をより良い方向へと導くことができるものであるだけに、期待したいところです。
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