ホームレス生活に転げ落ちた人を散髪させて着替えさせ、新しい人生を歩み出させるプロジェクトが世界中で大きな反響を呼んでいます。
これはアメリカ合衆国のNPO、Degage Ministriesが退役軍人のホームレスを対象に行なっている活動の映像です。彼らは退役後、ホームレスになった元軍人たちに対して洗髪や着替えなどを行って身だしなみを整え、新たな人生の一歩を歩み始めさせています。
髪や髭が伸び切り、着の身着のままといった雰囲気の元アメリカ陸軍のホームレスのJim Wolfさん。何十年も貧困の中でホームレスとして生き、アルコール中毒に悩まされてきました。しかし髪をカットされ、ひげを整えられ、ポケットチーフ付きのスーツを着た時、そこには以前の面影はありません。
Homeless Veteran Timelapse Transformation - YouTube
この驚きの変身の後、Wolfさんは自身の生活のコントロールを取り戻し、アルコール中毒社のミーティングに参加し始め、自分の部屋も借りる予定となっているとのことです。この動画は1周間のうちに1200万PVを稼ぎ世界中で話題になっています。
なお、これは単純な「感動する話」ではありません。退役軍人が日常生活に戻れないという話は「ランボー」を始めとして昔から繰り返し描かれており、現在も多くの退役軍人がホームレスとして生きています。
以前はベトナム帰還兵が多かったのが、近年の湾岸戦争、イラク戦争を始めとした対テロ戦争の中でも同じ道を歩む退役軍人が後を絶たず、アメリカ国内では大きな問題となっています。
特に、貧困家庭の若者が戦争に赴いた場合、高等教育や職業訓練を受けていない状態で退役することになり、セーフティネットが十分でないためホームレス化してしまうケースも多いとのこと。
この動画の背後にアメリカの継続的な対テロ戦争路線と貧富の格差が透けて見える形となっており、コメント欄でも多くの議論が行われています。
ですが、ホームレスへの支援として外見を変えるところを第一歩とするという発想は非常に興味深いもの。割れ窓理論に近いものもありますし、もっとカジュアルに考えれば「気持ちを切り替えるために大掃除」にも似ています。自分の暮らしにも応用できそうですね。
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