彫刻、普通は石や木、金属で作られた固いものというイメージがありますよね。しかしとある中国人アーティストが中国の古典的な技法を用いて作った紙の彫刻はとんでもないことになります。夢に出てきそうです。
38歳の中国人アーティストのLi Hongboさんが作る彫刻は、一見学校の美術室に置かれている石膏像のような普通の彫刻に見えます。しかし、この彫刻の材質はなんと紙。しかも、1つの頭部の像を作るために8000枚もの紙をそれぞれ細い部分だけを糊付けして重ねて貼っていきます。
そして必要な高さにまで達した後に、刃物で切り取り、ノミで彫り、ヤスリをかけ、いわゆる普通の彫刻と同じように作りこんでいきます。完成形も普通の彫刻と同じように見えるのですが、その真価は触ってみた時に分かります。
この彫刻、なんとこのように伸び縮みして捻ることもできてしまいます。その絵面はまるで寄生獣。なんともぞわぞわと来る不気味さです。
Hongboさんは中国の普通の農家に生まれましたが、子供の頃から紙が大好きでした。
「最初は中国の紙のおもちゃや紙のランプを通じて柔軟な紙の性質を発見したんだ。後になって僕はこの紙の特性を利用して銃を作ったんだ。銃は硬くて人殺しに使われる。でも、僕はそれを遊んだり飾ったりするための道具にした。この方法で銃はその形も固有の文化も失った。これは僕にとっての遊びになったんだ」
現在Liさんの作品の幾つかはニューヨークのKlein Sun Galleryで展示されていますが、残念ながら来場者は作品に触れることは出来ず、白い手袋をはめた係員が作品を伸び縮みさせたりねじったりして見せている状態。Liさんは
「本当は来場者に触って欲しいんだけどギャラリー側がそれを望まないんだよね。みんなが注意深く扱ってくれるなら触って欲しいんだ。手で触ることでしかこの作品の材質と形状の面白さを本当に理解して貰う方法はないからね」
とちょっと残念そう。しかし彼の作品は代表版で、35個の展示された作品のうち31個が既に売れており、価格は10000ドル(約102万円)から48000ドル(約490万円)とのこと。
Liさんが実際に作品を触って動かしている動画は以下から閲覧できます。
Li Hongbo Out Of Paper - YouTube
いつか日本でも実物を見ることができるでしょうか?非常に楽しみです。
Li Hongbo's Flexible Paper Sculptures Oddity Central - Collecting Oddities
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