Photo by Jennifer Woodard Maderazo
厳しく子供を育てること、それは子供の嘘を上達させることになってしまいます。詳細は以下から。
子供はどうやって育てるのが良いのでしょうか?教育論は星の数ほどありますが、罰則を伴った厳しい躾は子供の嘘を上達させることになることが分かりました。
子供の社会的、認知的発達の研究で高名なカナダ、マギル大学のVictoria Talwar博士によると、厳格な子育ては嘘の技術を上達させる結果に繋がりがちだということ。間違いに対して罰が避けられないという状況は、子供たちに罰を受けざるを得ないという評価から逃れるために嘘をつくことを学ぶようになるのです。
Talwar博士らの研究チームは西アフリカの2つの学校で「覗き見ゲーム」という実験を行いました。ひとつは規則のゆるい学校で、もうひとつは不快な罰則制度を持つ学校です。生徒らは隠された物体が出す音を、その物体を見ずに推測するように言われます。
重要なのは、ゲームの最後の回に使われる物体はそのものが絶対に出さない音を出します。例えば野球ボールが「ガーガー」と鳴き声を出すように。なので、もし生徒たちが最後の回の物体を言い当てたとしたら、それは監督者がいない間に覗き見をしたことになります。
実験の間、監督者は教室を離れ、戻ってきた時に生徒たちにふたつの質問をしました。「物体は何だったか?」「覗き見はしたか?」というものです。規則の緩い学校では本当のことを言う生徒と嘘つきの生徒の分布は西洋の学校で見られたものと似ていました。しかし、厳格な学校では、子供たちは極端に素早く効果的な嘘をついたのです。
懲罰を恐れ、嘘をついた子供たちは上手に真実を歪めてしまいました。皮肉にも、厳格な子育てや教育がより「優れた」嘘つきを生み出してしまっていたのです。
ただし、嘘というのは高度な心理学的技術でもあり、子供の認知機能と嘘の間には相関関係も存在しています。なので、子供が上手に嘘をつけるということは、知的な意味で順調に成長しており、子供が事実とフィクションを明確に分けられているということでもあります。
そうした狡猾さは社会に出た時に有効な場合があるのは全ての大人の認めるところ。厳格な教育の目指すところは恐らくは違う場所でしょうけれど、副作用として産まれる嘘の技術、あなたは子供に期待しますか?
Stricter Parents Are Turning Their Children Into Effective Liars _ IFLScience
(Photo by Jennifer Woodard Maderazo)
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