スマートフォンの普及によるトラフィック(通信量)の増加を受け、昨年12月末に続いて、1月25日に大規模な通信障害を引き起こしたNTTドコモ。
通信料の増大は今後携帯電話各社に影響を与えると考えられ、決してNTTドコモだけの問題ではないわけですが、トラフィックの増加状況やパケット定額の今後、そして帯域制限について、以前お伝えしたKDDIに続いてイー・モバイルに問い合わせてみました。
イー・モバイル広報室に問い合わせた内容とその回答は以下となっています。
BUZZAP編集部(以下、B):
他社ではスマートフォンの普及によってトラフィックの飛躍的な増加が問題となっていますが、御社の場合、増加ペース自体は上がっているのでしょうか。また、対応策やトラフィックを分散させるための施策を実施されている場合はお聞かせ下さい。
イー・モバイル広報室(以下、E):
弊社のネットワークは、「Pocket WiFi」のようなモバイルルーター機器や、スマートフォンによるテザリング利用など、モバイルブロードバンドのサービスを提供する前提で構築しています。当社のトラフィックの自体については、ご契約者数の増加に伴い伸びており、これに伴い、近年ネットワークも逼迫しています。
こうしたトラフィックの増加に対しては、ネットワーク管理・監視の一環として、逐次設備の増設等を行っています。トラフィックの分散については、固定回線とのセットサービスや、EM Wi-Fi SPOTをご利用いただくことに加え、本年3月からは、LTEを導入することにより、3Gのトラヒックの分散を図ってまいります。
B:
御社のデータ通信サービスにおける帯域制限の実施条件および実施状況についてもお聞かせ願います。
E:
ネットワーク資源の品質・公平性確保を目的として、現在は以下の運用を行っております。
【帯域制限の実施条件】
24時間ごとに300万パケット(366MB)以上利用で、当日21時~翌日2時を制限
なお、以下のご利用形態は、ネットワーク状況とお客様の利便性を考慮し、ご利用上影響がない程度に通信速度制御を実施いたしております。
・ブラウザによるホームページ閲覧
(動画視聴を含む<YouTube、ニコニコ動画、USTREAM、GyaO!、NHKオンデマンド>)
・メール送受信(SMTP、POP3、IMAP)
・VoIPによる音声通話(Skype)
・インターネットメッセージング
(Windows Live Messenger、Yahoo!メッセンジャー、Google Talk)※テキストメッセージ
・VPN接続(IPSec-VPN、SSL-VPN、PPTP)
帯域制御に関するFAQは以下をご参照ください。
よくあるご質問 | イー・モバイル
B:
データ通信の増大を受けて、アメリカのVerizon WirelessやAT&Tのように、いずれパケット定額制を見直す流れが生まれかねないかと不安視する声がありますが、パケット定額制の今後に関する御社の考えをお聞かせ下さい。
E:
弊社ではご利用スタイルや毎月の通信量に応じた各種料金プラン・サービスを提供しており、現状では定額制を必要とする方が多いと認識しています。パケット定額制の見直し要否についてはまだ何も決まっておりませんが、ユーザー数の増加や今後の市場動向等も踏まえた上で検討してまいります。
B:
ありがとうございました。
音声通話サービスから始まり、データ通信サービスを展開していった他社とは異なり、元からモバイルブロードバンドサービスを提供する前提でネットワークを構築していたイー・モバイル。
大手携帯電話3社と異なり帯域制限の実施要件も緩く、制限が実施される範囲も当日21時~翌日2時までと、最も限定されている同社ですが、3月からはNTTドコモに続いて3Gより高速なだけでなく電波を効率良く利用できる、最大112Mbpsを実現するLTEサービスを展開予定。
日本で最も早く「定額制のモバイルブロードバンド」を実現し、普及したキャリアであるだけに、今後にも期待したいところです。
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