早すぎた国産スマホ「W-ZERO3」シリーズの歴史を振り返る
ウィルコムが発売予定であることをBuzzap!で報じたところ、とてつもない反響があった京セラ製Androidスマートフォン「WX04K」。
ウィルコム復活の鍵になるのではないかと期待される同モデルですが、正式発表が行われる前に、同社がかつて販売していた国内スマートフォンの先駆けともいえる「W-ZERO3」シリーズを振り返ってみました。
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◆初代「W-ZERO3(WS003SH)」
2005年12月14日に満を持して発売された初代「W-ZERO3」。OSに「Windows Mobile 5.0」を採用し、業界初となる3.7インチVGA(640×480)液晶やIntelの「PXA270プロセッサ(416MHz)」、133万画素カメラ、スライド式のQWERTY配列キーボード、miniSDカードスロット、IEEE802.11b準拠の無線LANを搭載。本体サイズは約70mm×約130mm×約26mm、重さは約220グラムと重量級でした。
2006年6月には従来の2倍となる256MBフラッシュメモリを搭載し、辞書ソフトをプリインストールしたマイナーチェンジモデル「WS004SH」も発売。
◆「W-ZERO3[es](WS007SH)」
2006年7月27日には「W-ZERO3[es]」発売。VGA解像度はそのままに、液晶のサイズが2.8インチに変更。131万画素カメラは新たにマクロ撮影に対応したほか、USBホスト機能が追加され、日本語入力システム「ATOK」をプリインストールするなど、使い勝手が向上したほか、本体サイズ約56mm×約135mm×約21mm、重さ約175グラムへとサイズダウンしています。
◆「Advanced/W-ZERO3 [es](WS011SH)」
2007年7月19日に発売された「Advanced/W-ZERO3 [es]」はOSに「Windows Mobile 6 Classic」を採用。3インチワイドVGA(480×800)液晶にMarvell製「PXA270プロセッサ(520MHz)」、接写も可能な131万画素カメラ、赤外線通信、microSDカードスロット、IEEE802.11 b/g対応無線LANを搭載。
ジョグ機能内蔵カーソルキー「Xcrawl」により操作性が大幅に向上し、約50mm×約135mm×約17.9mm、重さ約157グラムという持ちやすさを実現。まさにW-ZERO3シリーズの完成形とも言えるモデルです。
◆「WILLCOM 03(WS020SH)」
「Advanced/W-ZERO3 [es]」をベースとした「WILLCOM 03」は2008年6月27日に発売。シリーズ初のワンセグを搭載し、カメラもオートフォーカス付きの200万画素に性能アップ。OSも「Windows Mobile 6.1 Classic」へとバージョンアップされ、約50mm×約116mm×約17.9mm、重さ約135グラムのフルフラットボディによりさらに小型化しています。
◆「HYBRID W-ZERO3(WS27SH)」
「WILLCOM 03」から1年半が経過した2010年1月28日に発売された「HYBRID W-ZERO3(WS27SH)」は初のPHS+3Gスマートフォン。3.5インチフルワイドVGA(854×480)液晶、手ブレ補正およびオートフォーカス対応の約500万画素カメラ、Bluetooth、GPSなどを備えており、テザリングをサポート。
今までにないハイスペック機ではあったものの、W-ZERO3シリーズの大きな特徴だったQWERTYキーボードを廃してしまった上に、他社製スマートフォンに1GHzで駆動するQualcommのSnapdragonプロセッサが搭載される中、CPUに528MHz駆動の「MSM7200A、ARM11プロセッサ」を採用したことで、肝心の処理性能面で引けを取るなど、「惜しい」と言わざるを得なかった部分があったのも事実です。
◆番外「WILLCOM D4(WS016SH)」
2008年7月11日に発売された「WILLCOM D4」はウィルコムとマイクロソフト、Intel、シャープが共同開発した、Atomプロセッサ搭載モバイルコミュニケーションマシン。5インチワイド液晶(1024×600)、Atom Z520プロセッサ(1.33GHz)、1GBメモリ、40GBのHDD、オートフォーカス対応192万画素カメラ、ワンセグチューナーを内蔵し、OSに当時最新の「Windows Vista」を採用した、まさに夢のようなモデルでした。
しかし実態は「Atomプロセッサでは処理能力が足りない」「Windows Vistaで1GBメモリは厳しい」「ハンディタイプのモバイル端末なのにHDD内蔵」「快適に通話するには別売りのBluetoothハンドセットが必要」「バッテリー駆動時間がカタログスペックで約1.5時間」といった問題が山積。コンセプトと現実の落差に「どうしてこうなった」という声が聞こえそうな出来栄えであったことが惜しまれます。
◆高まる「WX04K」への期待
このようにして紆余曲折を経てきたW-ZERO3シリーズですが、やはり気になるのはまだ見ぬウィルコム初となるAndroidスマートフォン「WX04K」の存在。同モデルの開発は今まで「W-ZERO3」シリーズを手がけてきたシャープではなく、新たに京セラが担当することになります。
今まで京セラが手がけてきたスマートフォン。こちらは女子高生向けにもかかわらずデュアルコアCPUを搭載した「HONEY BEE 101K」です。
有機ELディスプレイ搭載でモバイルWiMAXにも対応した「DIGNO ISW11K」
海外向けの2画面スマートフォン「Echo」。このように京セラは個性的なモデルから無難なモデルまで幅広くのスマートフォンを手がけているため、「WX04K」に対してもある程度期待できそうです。
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