「iPhone 5（仮）」は2012年秋発売でほぼ確定か、鍵となるのは「iOS 6」と「LTE」

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先ほどAppleが開発者向けイベント「WWDC 2012」を開催し、世界最高となる超高解像度（2880×1880）の15.4インチ「Retina Display」を搭載したMacBook Proに加え、iPhoneやiPad向けの最新OS「iOS 6」も発表されましたが、昨年同様、新型iPhoneが発表されない事態となったことなどから、iPhone 4Sに続く「iPhone 5（仮）」は2012年秋発売でほぼ確定となりました。

なお、上記画像は従来よりも縦長・高解像度のディスプレイを搭載すると報じられているiPhone 5（仮）のイメージ画像です。

◆「iOS 6」は2012年秋登場へ
先ほどのWWDC 2012で発表されたiOS 6。ハンズフリーを超えたアイズフリーを実現する音声認識機能「Siri」の大幅な強化や電話・メール周りの改善に加え、Google Mapsとの決別を意味するかのような新地図機能の搭載など、トータルで200の新機能が追加されるわけですが、開発者向けのベータ版は本日、一般ユーザー向けのバージョンは2012年秋に提供開始されます。

◆「iPhone 4S」でずれた発売サイクルは戻らず
「iPhone 4」までは毎年6月の「WWDC」で新モデルが発表され続けてきましたが、現行モデル「iPhone 4S」が2011年10月に発表されたことで、発売サイクルが大きくずれ込むこととなった現状。

WWDC 2012でそのサイクルが戻ることになるのかどうかについても期待が寄せられていましたが、iPhoneに関する発表が行われなかったため、次期モデル「iPhone 5（仮）」は「iPhone 4S」の発売から1年、「iOS 6」の提供開始と同時期となる2012年秋に発売される公算が大きくなってきました。

◆「iPhone 5（仮）」の登場時期を占う上で大きな意味を持つ、携帯電話各社の「LTE」開始時期
今年3月に発売された「新しいiPad」が対応したことから、おそらく「iPhone 5（仮）」も対応すると思われる次世代高速通信規格「LTE」。

国内でiPhoneを販売しているソフトバンクモバイルおよびKDDIは現時点でLTEを展開していないわけですが、ソフトバンクモバイルが2012年秋以降に展開することを今年4月に表明し、さらにKDDIも従来の予定を前倒して2012年秋にLTEを展開することを2012年夏モデル発表会で表明。

両社とも高速通信サービス「モバイルWiMAX」や「Softbank 4G（AXGP）」「ULTRA SPEED」などを展開しているため、LTEの展開を急ぐ理由があまり無いような気もしますが、相次いで秋に焦点を合わせる形でLTEを展開することを決定するというのは、気になる動きであると言わざるを得ません。

KDDIが提供する「4G LTE」の詳細。ソフトバンクモバイルが2.1GHz帯のみで展開するのに対して、KDDIは800MHz、1.5GHz、2GHzの複数の周波数帯域で展開するなど、かなり気合いが入った内容となっています。

◆LTE展開の前倒しは「iOS 6」による通信量増大対策か
また、「iOS 6」のリリースによって、懸念されるのが通信量の飛躍的な増大。従来Wi-Fi環境のみで提供されてきたビデオチャットの携帯電話回線での利用が解禁されるほか、音声認識処理をサーバーで行うため、データ通信量が大きいSiriの機能強化によって、今まで以上に3G回線に大きな負荷がかかることが想定されます。

つまりiPhoneを販売している2社が前倒しでLTEの提供に踏み切る背景には「iOS 6」で増大する通信量をLTE回線へと分散させることで、3G回線の混雑を解消するねらいがある……と考えることもできそうです。