経営再建中のシャープがスマートフォン向けプロセッサ「Snapdragon」や各種通信方式に対応したチップセットなどを手がけるクアルコムから出資を受け入れ、虎の子である「IGZO技術」を中核に各種分野で協業することが発表されました。
クアルコム社との資本提携 及び子会社ピクストロニクス社とのディスプレイ技術開発契約を締結 | ニュースリリース:シャープ
シャープのプレスリリースによると、同社はアメリカのクアルコム傘下のPixtronix(ピクストロニクス)社と「MEMSディスプレイ」を共同開発することで本日合意したそうです。
MEMSディスプレイは微細な加工技術を利用したディスプレイで、優れた色再現性と低消費電力に加え、既存の生産インフラを効率的に活用できるのが特長。このMEMSディスプレイの実用化に向けた開発を、シャープの核となるディスプレイ技術「IGZO技術」と、ピクストロニクスの「MEMSディスプレイ技術」との統合により進めていくとしています。
また、クアルコムとも出資契約を締結し、同社を割当先とした第三者割当による新株式の発行を実施。MEMSディスプレイの実用化に向けた技術の確立を目指すための開発および設備投資費用としてクアルコムから最大で約99億円の出資を受け入れる予定であるほか、今後クアルコムのチップセットとIGZO技術のさらなる取り組みの可能性を検討するとのこと。
クアルコムが提供するチップセットと、低消費電力を実現するIGZO技術をセットで提供することができれば、スマートフォンなどのモバイル機器の低消費電力化に貢献できることは間違いないため、今後の展開には期待したいところです。
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