現行規格「H.264」のほぼ半分のデータ量で同じ画質を実現できる新規格「HEVC/H.265」が先日国際標準として承認されましたが、KDDIがさらに優れた圧縮方式を開発しました。
既存のCATV設備を利用してフルHD動画はもちろん、各解像度のスーパーハイビジョン(SHV)映像を同時伝送しています。
CATV網を活用したスーパーハイビジョン映像伝送実験について | 2013年 | KDDI株式会社
KDDIおよびKDDI研究所、ジュピターテレコムのプレスリリースによると、3社はフルハイビジョン、スーパーハイビジョン (4K、8K) の超高精細映像を高圧縮して、同時に伝送することが可能な映像圧縮符号化方式を開発し、CATV網を利用した伝送実験に世界で初めて成功しました。
今回の技術開発研究は、独立行政法人情報通信研究機構 (NICT) の委託研究「超高精細映像符号化技術に関する研究開発」の一環として行われたもの。従来のフルハイビジョンは1チャンネル、スーパーハイビジョンの4Kは2チャンネル、8Kは5チャンネル、計8チャンネルの帯域が必要でしたが、新たな圧縮方式では従来比約半分となる4チャンネル分の帯域で同時配信が可能となっています。
圧縮技術のイメージ。4Kでは従来の圧縮方式の半分の1チャンネル、8Kでは40%の5チャンネルで伝送できています。
これにより従来のCATVインターネット伝送技術を活用して、既存のCATVサービス (放送・電話・インターネット) へ影響することなくフルハイビジョン、スーパーハイビジョンの超高精細映像を配信することが可能となり、大型モニターを使用するパブリック・ビューイングなどでの活用のほか、家庭への配信も期待できるとしています。
・関連記事
4Kの解像度が実際にどれほど高画質かが分かる動画 | BUZZAP!(バザップ!)
NTTドコモがスマフォで「H.265/HEVC」を再生可能に、動画の高画質化やネットワーク負荷軽減も | BUZZAP!(バザップ!)
4K放送が2014年に開始へ、スーパーハイビジョン放送は2016年に | BUZZAP!(バザップ!)
モバイル通信を5倍、ファイル転送を30倍高速化する新しいデータ転送方式を富士通が開発 | BUZZAP!(バザップ!)>