記者発表会の度に「Appleとの交渉は続けている」「スマートフォンの販売台数全体の2~3割なら受け入れ余地がある」といったコメントが行われ、まさに「一体いつ出るんだよ」状態な「NTTドコモ版iPhone」ですが、今度は社長が直々に交渉の事実を否定しました。
新OS、iPhone導入…ドコモ社長に聞く戦略 :日本経済新聞
日本経済新聞社がNTTドコモの加藤薫社長に対して行ったインタビューによると、2ヶ月で44万台売れた「AQUOS PHONE ZETA」や「Xperia Z」など、海外メーカーと比べて出遅れていた感のあった国内メーカー製のAndroidスマートフォンの性能や品質、デザインが向上してきたそうです。
同社はiPhoneを展開する他社に追いつくため、1シーズンで最大18機種をラインナップするなど、数を展開してきましたが、iPhoneをスペック面で超えた機種や特長のあるモデルも増えてきたため、2013年の冬商戦からできるだけ特長のあるものや売れ筋のものに絞り込んでいくとのこと。
また、KDDIがAndroid、iOSに続く「第3のOS」として「Firefox OS」を採用した端末を2014年に発売するのに対して、NTTドコモはSamsung電子などが主導して開発中の「Tizen」に注力予定。加藤社長はTizenについて「(ラインナップが)Androidだけで大丈夫なのかと考え、視野に入れている」とコメントしています。
そして気になるドコモ版iPhoneについて、「アップルと交渉は進んでいるのか」という質問に対して、加藤社長は「ノーノー。何をおっしゃっているんですか」と交渉の事実を否定。iPhoneに対する複雑な感情を見せています。
「(iPhone導入で)劇的に変わるかというと、(他社と)互角になると思う。その時が本当の勝負になる」「端末の販売総数では他社に負けていないが、MNP(番号持ち運び制度を使った転入出)で負けている。日本と米国は(iPhoneにとって)特別な市場で、韓国は『否』、欧州も『否』という感じ」「iPhoneはいい端末だと思いますけどねぇ。ただしiPhoneを導入して、(ドコモの総販売台数の)7~8割も売れちゃったら『俺たち、今まで何をやっていたんだ』ということにもなりますしね」――。
下手に希望を持たせるようなことはコメントせず、いっそのこと「金輪際出ない」という姿勢を一貫し続けてくれたら……と思わなくもないNTTドコモ版iPhone。これから先もさまざまな発言や情報が出る度にメディアやユーザーが一喜一憂することになると思われますが、はたしてどこに着地するのでしょうか。
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