ロシアの作った空飛ぶ円盤「EKIP」のなんともいえない物寂しい末路



旧ソ連時代にはアメリカと宇宙開発を競っていたロシア。このロシアで作られた夢の空飛ぶ円盤がうら寂しい姿をさらしています。

「EKIP」は空飛ぶ円盤ですが宇宙人のUFOではありません。ワープ機能も反重力エンジンも搭載していませんでしたが、実際にロシアで建設された人類作の空飛ぶ円盤です。



見た目は映画や月刊ムーなどでお馴染みのUFOに似て翼がありませんが、EKIPは機体自体が翼の役割を果たします。そして膨らんだ中央部は広く燃料を大量に格納できる上、設計上は天然ガスやケロシン、水とガソリンの混合物なども燃料として用いることができたといいます。




さらにEKIPは長い滑走路を必要とせず、500m程の地面か水面があれば離着陸可能。舗装されていない土の上はもちろん、氷上でも離着陸できるという辺りはさすがのロシア仕様です。EKIPにはいわゆる脚部が存在せず、離着陸用のターボジェットによるエアクッションを用いたデバイスが採用されています。




EKIPは100人以上の乗客や重貨物の搭載も念頭に置いて設計されており、実際に運用されていれば革新的な技術になっていたかもしれません。




ですが、これらの夢の様なスペックは青写真のまま資金不足により開発は頓挫。試作されたEKIPたちはこんなことになっています。






子供たちの遊び場になっているのが救いですが、あったかもしれない栄光の未来と比べるとなんとも切なくなってしまいます。

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