現代にも通じる5000年前のヒョウ狩りの罠が発見される


Photo by Sergey Yeliseev

古代ローマ帝国よりもはるか昔、現代にも通ずる構造を持った大型の肉食獣を捕らえるための罠が存在していたことが明らかになりました。

今回このヒョウ狩りの罠が発見されたのはイスラエル南部のネゲブ砂漠。罠の構造は巨大なネズミ捕り型で、巨大な石が目立たないように組み上げられ、その内部にロープの付いた肉が取り付けられ、肉食獣がこの肉を引っ張ると入り口の板状の石が落ちて閉じ込めるもの。


このタイプの罠は同じネゲブ砂漠には既に50ほど発見されており、それらの罠の設置された年代が1600年ほど前立ったことから同時代のものと最初は考えられました。

しかし、自然放射線への被曝量を測定し、直射日光に当たっている部分と日陰になっている部分の差とバックグラウンドを比較したところ、この罠が他のものより3400年も古いことが判明。これは数千年単位で環境変化が少なかったこの地域だからこそ調べられたとのこと。

つまりは、1600年前に使用されていた技術が実にシュメール文明成立期には既に確立し、実用されていたことを示しており、この周辺で農耕、牧畜を営んでいた当時の人々の文明の高さを表しています。彼らは羊や山羊を襲うヒョウや狐、狼やハイエナといった肉食獣から守るためにこうした罠を用いていました。


なお、これと同系統の罠はベドウィンの遊牧民によって前世紀まで使用されており、この地域のヒョウを含む大型肉食獣の減少、絶滅によって使われなくなるまで数千年間現役であり続けたことになります。

道具立てはシンプルながら、古代の人々の現代にも通ずる発想と技術には驚かされます。

5,000-Year-Old Leopard Trap Discovered in Israel LiveScience

Photo by Sergey Yeliseev

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