【動画あり】人類の可聴域を超えた「重低音」を発することのできる弦楽器オクトバス
ベース・ミュージックが引き続き流行していますが、耳では聴こえない程の「重低音」を発する弦楽器が存在しています。詳細は以下から。
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通常オーケストラなどで最も低い音を受け持つのがコントラバス。他の音楽ジャンルではウッドベースとも呼ばれる、バイオリンを巨大化させた弦楽器です。
しかしこれよりもさらに低い音を出す弦楽器「オクトバス」が1850年にフランスの楽器製作者ジャン=バプティスト・ヴィヨームによって制作されています。きっかけとなったのは「幻想交響曲」などで知られる作曲家エクトル・ベルリオーズが自らの作品のために極低音の楽器を必要としたため。
オクトバスはチェロよりも2オクターブ低い音を演奏することができ、最も低い音では16Hzという人類の耳では捉えることのできない重低音を発することができます。ただしコントラバス以上に巨大なため、専用の台に乗って演奏しなくてはなりません。また、位置が高過ぎることから取り付けられたレバーを動かして弦を押さえることになります。
こちらがオクトバス専用の弓。フレンチスタイルですが、重くて力を要するため、画像のように握りしめて演奏します。
ヴィヨームはベルリオーズとの協力の下でこの「オクトバス」を制作し、1855年のパリ万国博覧会に出品しています。この際には3挺が制作されていますが、現存しているのはパリ音楽博物館とウィーンの2挺のみ。
これとは別にアメリカ合衆国アリゾナ州フェニックスのMusical Instrument Museumには演奏可能なレプリカが展示されており、以下の動画では館長のColin Pearsonさんが実際に演奏している様子を見ることもできます。
Up Close With A Curator Octobasse – YouTube
この動画ではもちろん可聴域を超えた低音を本当に体感するのは困難。ですがライヴやフェス、クラブなどで重低音を全身に浴びたことのある人なら、耳ではなく体を直接揺らすあの響きを想像すると少し近いかもしれません。
こうした楽器が見直されて、音楽は耳から聴くだけのものじゃないことがもっと知れ渡るといいのですが…。
ワーナーミュージック・ジャパン (2015-05-27)
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