常識を覆す「風車のない風力発電機」が登場、低コストで騒音や鳥との衝突事故も解消

このエントリーをはてなブックマークに追加



風力発電といえば風車。そんな常識に真っ向から挑んだ風力発電機が開発されています。詳細は以下から。

風力発電といえば思い浮かべるのは、数多く立ち並ぶ真っ白な巨大な風車ではないでしょうか。そんな光景が大きく変わるかもしれません。

福島第一原発事故の後、原子力に変わるクリーンエネルギーの有力候補として太陽光発電と共に脚光を浴びるようになったのが風力発電。しかし、低周波による騒音の問題や、鳥が風車にぶつかって死んでしまう問題なども取り沙汰されるなど、完全無欠の発電方法とはやはり言えない面も残っていました。

しかしそうした問題をまったく逆の発想から解決することに繋がりそうなのがこの「風車のない風力発電機」なのです。

この全く新しい風力発電機を開発したのはスペインのVortex Bladeless社。その発想の原点は1940年に起きた強風によるタコマナローズ橋の崩壊だといいます。風によって起こる振動は巨大な橋を崩壊させるほどの力を持ちますが、それをむしろ発言に利用できないかと考えました。

タコマナローズ橋の崩壊 1940年11月7日 - YouTube


その結果できあがったのがこの「Vortex」。地上から空に向かって屹立する巨大な一本の竿とでもいうような見た目をしています。Vortexは風車のような回転の代わりに風の振動を電力に変えるという方法で発電を行います。


Vortexはその周辺に旋風を起こし、風速に応じて決まった周波数の振動を引き起こします。旋風とVortexの周波数が一致した時に最も高い効率でエネルギーを変換することができます。

そしてこの振動による発電方法は交流発電機と同じ原理となっており、内蔵された磁石を用いてVortex自信の振動する周波数を調整し、常に最大効率でエネルギー変換ができるようになっています。


また、Vortexはコストパフォーマンスもよく、従来の風力発電機の47%程度のコストで製造でき、ランニングコストも49%に抑えられているとのこと。ギアやベアリングを用いていないため、消耗部品が最小限に抑えられており、メンテナンスも容易。


また、回転する風車がないため鳥が風車にぶつかって死ぬような事故もおこりませんし、無音のため騒音公害も起こらないなど、従来の風力発電のデメリットを補って余りあるスペックを誇っています。動画での説明は以下から。

Vortex .Bladeless Wind Generator. - YouTube


現在家庭用の出力4kWのVortex miniと1MWという大出力のVortex Granが開発中。2017年にはminiがリリースされる予定とのこと。クラウドファンディングも6月1日にローンチ予定とのことで、10年以内に風力発電が大きく様変わりしていくことになるかもしれません。

自分で作る風力発電 (大人の週末工作)
中村昌広
総合科学出版
売り上げランキング: 9,750

・関連記事
電力小売全面自由化まであと1年、私達の電気の選択肢はどう広がるのか? | BUZZAP!(バザップ!)

夢のエネルギーだった小型核融合炉が現実に?ロッキード・マーチン社が10年以内に実用化へ | BUZZAP!(バザップ!)

野外フェスにぴったり?最大50kWまで発電可能なトレーラー型ポータブル風力発電機 | BUZZAP!(バザップ!)

世界最大のメガソーラー発電所が上空を飛ぶ鳥を焼き殺していることが明らかに | BUZZAP!(バザップ!)

イギリスのエンジニアが空気と水から燃料を作り出す方法を開発 | BUZZAP!(バザップ!)

このエントリーをはてなブックマークに追加