「やばい」=「すばらしい」が若者の8割以上に浸透、「微妙」「うざい」も定着進む

Photo by Tokyo Times

日本語の「乱れ」が気が付けば定着して文化になっていっているようです。詳細は以下から。

文化庁が毎年行う「国語に関する世論調査」によると、「とてもすばらしい」という意味で「やばい」という言葉を使う人が10年前と比べて1.5倍の16.9%に増加しています。

やばいという言葉は実は江戸時代から使われてきた由緒ある俗語。盗人や香具師、テキ屋らの隠語だったとされていますが、その後も戦後のヤミ市などから一般にも広がるなど、なかなかに面白い歴史を持つ言葉。

やばいとは「危ない」「悪事がみつかりそう」「身の危険が迫っている」など不都合な状況を意味する形容詞や感嘆詞として、江戸時代から盗人や的屋の間で使われた言葉である。その後、やばいは戦後のヤミ市などで一般にも広がり、同様の意味で使われる。1980年代に入ると若者の間で「怪しい」「格好悪い」といった意味でも使われるようになるが、この段階ではまだ否定的な意味でしか使用されていない。これが1990年代に入ると「凄い」「のめり込みそうなくらい魅力的」といった肯定的な意味でも使われるようになる。

日本俗語辞書より引用)


1980年代から若者言葉として使われるようになり、90年代から徐々に否定的な意味に加えて肯定的な「とてもすごい」「素晴らしい」などのニュアンスで使われるようになっていきました。

今回の調査では10代の9割、20代の8割が肯定的なニュアンスで使っており、30代でも肯定的に使っている人の割合が53.9%と半数を超え、90年代に肯定的に使っていた若者がそのまま使い続けている様子も見て取れます。

また、面倒くさいことや不快感・嫌悪感の表現に「うざい」を使う人も17%から20%に微増、10代では8割近くに上ります。一方、良し悪しの判断がつかない時に「微妙」と表現する割合も57.8%から66.2%に増え、およそ2/3が使っている計算に。なお、この言葉は「善悪の判断がつかないふりをして、悪く言うときに用いる可能性もある」と文化庁担当者は述べています。

ずいぶんと日本語が変化しているようにも思えますが、日常生活で接する言葉遣いが「乱れていない」と思う人は15年前と比べて13.2%増えて23.5%にまで上昇。「言葉は時代によって変わる」との考えが少しずつ浸透し、「乱れ」ではなく「変化」なのだと考える人が増えていることが分かります。

なお、この調査は全国の16歳以上の男女3493人を対象に行われ、55.6%から回答を得たもの。方言による地方差などはあるのかなど、こうした問題は気にしだすときりがなさそうです。

やばい=すばらしい 10代の9割、肯定的に使用:朝日新聞デジタル

東京新聞 「やばい」=「素晴らしい」26.9% 国語世論調査 社会(TOKYO Web)

「やばい」「うざい」「微妙」「わたし的に」…国語世論調査で明らかになった“新時代語”の風景 - 産経ニュース

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