ダイエットに大きな革命を起こしそうな胃バイパスバルーンが登場しました。詳細は以下から。
美容と健康の大きな障害となる肥満。どうにか解消しようと食事を減らしたり運動をしたりと努力している人も多いのではないでしょうか。それでもなかなか落ちてくれないのが体重と脂肪です。
そんな時に手軽に使えるようになりそうなのが肥満解消用の胃バイパスバルーン「Elipse」。これまで胃バイパスバルーンは極度の肥満を抱えた人のための、ある種の最終手段でした。バルーンの設置と撤去には麻酔を用い、内視鏡手術をする必要があり、決して気軽なダイエットに使えるものではありません。
しかしAllurion Technologies社の開発したElipseは手術の必要はなく、口から飲み込んで設置することが可能。
Elipseのカプセルの端には細くて飲み込むことが容易な、口から胃まで届く長さの送達カテーテルが取り付けられており、胃に到達するとカプセルが分解します。
バルーンには10分で550mlの液体をカテーテル経由で満たすことができ、満タンになるとカテーテルを切り離して口から引き抜きます。こうして満タンになったElipseは胃の中に居座って満腹感を味わわせ、肥満に苦しむ人の食欲を減退させることで体重を減らすチャンスをもたらします。
何ヶ月か後に治療が終了した時も、もちろん麻酔や手術は不要。液体を流し出すバルブが付いており、空っぽになったバルーンは十分に小さくなり、小腸から大腸を経て他の食物と一緒にトイレで排泄することが可能なのです。
設置と撤去、共に手術を伴わずに使用できる胃バイパスバルーンはElipseが世界初。侵襲的処置がないことで患者に肉体的にも精神的にも負担をかけず、肥満の解消に向けて有効な手を打つことができるようになります。動画での解説は以下から。
An Overview of Elipse Therapy - YouTube
このElipseが世界的に使用可能になるには最低でもあと2、3年はかかりそうとのこと。そしてグラスゴー大学の栄養学のエキスパート、Mike Lean教授はこのバルーンによる治療はあくまで一時的なものと釘を刺します。
短期的に見ればバルーンは間違いなくある種の人々の体重を落とす助けになるだろう。しかしバルーンには長期的な効果はない。一度取り除かれたり排泄されたらもうそれまでだ。肥満の患者が長期的な体重コントロールの戦略を持っていないかぎりリバウンドは起こるだろう。
とのこと。どんなダイエットであれ気を抜けばリバウンドという運命からは逃れることはできません。数ヶ月のバルーン着用で食生活の習慣がうまく変わっていればいいのですが、Elipseでは人間の意識までは変えることができないので注意が必要になります。
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