1946年の核実験の標的艦として最期を遂げた空母は現在海底でどうなっているのでしょうか?詳細は以下から。
太平洋戦争の開戦時から参加し、日本軍との戦闘で度々損傷を受けながらも生き延びたアメリカ海軍の航空母艦サラトガ(USS Saratoga, CV-3)。戦後に廃艦となり、1946年にビキニ環礁で行われた核実験「クロスロード作戦」において標的艦となり、7月25日のベーカー実験により沈没。世界で唯一の核爆弾によって沈没した空母となりました。
海洋探査船Aluciaを擁するAlucia Productionsはクロスロード作戦の1946年から1958年まで12年間に渡り23回の核実験が行われたこのビキニ環礁の海底を調査。現在も海底に眠るサラトガの姿を克明に映し出しています。いったいこの海底はどんなことになっているのでしょうか?実際に潜っている場面は2:35辺りから。
Bikini Atoll: Into the Atomic Abyss from Alucia Productions on Vimeo.
現在のビキニ環礁は死の海になっているということはなく、魚が泳ぎ、海藻が育っているのが映像から分かります。
ただし、ビキニ環礁での核実験では28種の珊瑚が絶滅したことがオーストラリア研究会議(ARC)によって報じられており、残存する放射能の影響で現在は住むことができず、再び居住可能になるのは早くとも今世紀後半になる見込みです。
ビキニ環礁では1954年に行われた水爆実験で日本のマグロ漁船・第五福竜丸をはじめとした1000隻以上の漁船が死の灰を浴びて被曝、240km離れたロンゲラップ環礁の住民64人も死の灰により被曝して避難を余儀なくされました。実験の行われた3月1日がビキニ・デーとして原水爆禁止運動の記念日となっていることも忘れてはなりません。
Video Explores The Ghost Fleet Of Warships Sunk By Nuclear Weapons In The Pacific IFLScience
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