熊本地震でソフトバンクの携帯電話復旧に大幅な遅れ、格安スマホのほうがつながる事態に



熊本地震で携帯各社の基地局が被災し、避難所などで通信できない事態が発生している中、ソフトバンクの復旧に遅れが発生していることが明らかになりました。詳細は以下から。

平成 28 年熊本地震による被害状況等について(第 32報)

総務省が公開したデータによると、2016年4月19日(火)13:30時点で携帯電話の基地局は148局が停波、PHSの基地局が53局停波(いずれも4月18日4:00時点から9局減)しているものの、NTTドコモおよびKDDIはすべての市町村役場をカバーしているそうです。


固定電話の被災状況。NTT西日本では約300回線の収容回線が不通となっているほか、ソフトバンクでは専用線、ADSLに被害が及んでいます。


そして携帯電話はドコモが16局(停電12局、伝送路断4局)、KDDIは21局(停電13局、伝送路断7局、詳細確認中1局)が停波中。しかしすべての市町村役場および避難所での通信の疎通を確認済みです。


一方でソフトバンクはドコモやKDDIと1桁違う携帯電話111局(停電25局、伝送路断86局)、PHS53局が停波し、7個所の避難所および2個所の役場での通信の疎通ができない状況に。なお、避難所での通信については4月19日夕方に復旧を終えたと報じられています


ちなみに2011年の東日本大震災当時、被災した地元テレビ局「岩手めんこいテレビ」は携帯電話各社の復旧状況を公式ページでまとめていましたが、震災から1週間が経過した3月18日時点で、ソフトバンクだけ「全域不可」の文字が並ぶ事態に。


ドコモやKDDIが復旧を終えた後も、ソフトバンクだけつながらない状況が続いていることが公開されてしまう、ある意味公開処刑のような状況となっていました。


東日本大震災の教訓があるにもかかわらず、「ドコモやau回線を使った格安SIMのほうが災害時にソフトバンクよりつながる」という、なんとも皮肉な結果となってしまった携帯各社の復旧状況。大手携帯各社の料金が横並びとなって久しい中、災害時の対応にここまで明確な差が出てしまうのはどうなのか……という気がしてなりません。

なお、携帯各社は被災者に向けて、以下のような特別措置を実施中。格安SIMを提供する事業者各社も2GBの追加データ量を無償提供するなどしています。

・ドコモ
災害救助法適用地域内に居住する携帯電話利用者を対象に、追加データの購入なしに、自動的に通信速度制限を解除。

・KDDI
災害救助法適用地域内に居住する固定電話等利用者を対象に、避難により利用できない期間の料金の減免を実施。災害救助法適用地域内に居住する携帯電話利用者を対象に、10GBのデータ通信容量を自動的に追加。

・ソフトバンク
災害救助法適用地域内に居住する固定電話等利用者を対象に、避難により利用できない期間の料金の減免を実施。災害救助法適用地域内に居住する携帯電話利用者を対象に、追加データの購入なしに、自動的に通信速度制限を解除。

・2016年4月22日追記
平成 28 年熊本地震による被害状況等について(第38報)

総務省が公開した4月21日(木)11:30現在の復旧状況。復旧が進み、停波中の基地局はドコモが5局、KDDIが12局まで回復した一方、ソフトバンクは携帯電話が35局、PHSは18局停波中となっています。

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