【後編】「海に落ちたラピュタ」こと、和歌山市沖に浮かぶ「友ヶ島」を歩いてきました

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「海に墜落して朽ち果てたラピュタ」の頂上付近に佇む第三砲台跡へと向かいます。気分はもうダンジョンです。

友ヶ島の西側を巡ったBUZZAP!取材班。いよいよメインスポットである中部の第三砲台跡方面に歩を進めます。

【前編】「海に落ちたラピュタ」こと、和歌山市沖に浮かぶ「友ヶ島」を歩いてきました | BUZZAP!(バザップ!)

池尻キャンプ場で一休みした後、BUZZAP!取材班は島の中央部の山を登り始めました。まっすぐ第三砲台跡へ向かおうかとも思ったのですが、島の南側に建築された旧海軍聴音所跡を先に訪れることに。上り坂の途中を右にそれると木漏れ日の差す気持ちのいい道が続きます。



10分弱で旧海軍聴音所跡に到着です。堅牢な雰囲気の建物が残っていますが、屋根にはみっしりと草木が生い茂り、長い時間の経過を思わせます。


中にも入ることができます。レンガの壁がむき出しになっているところも。




窓からは海が見えます。


海側から見るとこんな感じにカモフラージュされています。当時はどうだったのでしょうか?



山道に戻ります。他の観光客ともしょっちゅうすれ違うのですが、そこまで人だらけという感じではありません。連絡船で一定以上入れないからというのが大きそう。




中腹の小展望台。4本のピラーが立っていて謎の「聖なる祭壇」感があります。


そして北側の息を呑むような展望。みんなゆっくりしている理由がよく分かります。


桟橋に向かう連絡船が見えました。


山の頂上まで登ると、国土交通省大阪航空強による巨大な航空保安無線施設が目の前に現れます。関西国際空港の開港で航空路上となったことによって、沖ノ島にこの施設が建設されました。紀淡海峡という海路と共に、この「ラピュタ」が空路としても重要航路に位置しているというのは不思議な感じです。


このゴリゴリのメカニック感がたまりませんね。


そのすぐ先には島で最も高い(標高119.9m)タカノス山展望台が。各方向の眺望をゆっくり楽しめます。ベンチも多くあるので昼食をとるにもよさそう。




そしてメインアトラクションともいえる最大の砲台跡、第三砲台跡です。人もいっぱい。


砲台を設置していた跡に水が溜まったり木が生えたりしていて、なんともラピュタ感に溢れています。




地下通路は真っ暗。人がいないとむしろちょっと怖いくらいの暗さです。




こんな広い空間もあります。この写真はフラッシュを焚いていますが、そうでなければ完全に真っ暗。


謎の上り階段や通路もあり、これぞダンジョンといった感じ。




抜けた先には不思議な井戸のような構造物があったりします。


こちらにも大規模な設備跡が。



今はがらんどうになっています。



この辺りは時折レイヤーさんが撮影を行ったりもしているようです。さすがにこの日は人が多すぎるためか、ひとりもいませんでしたが…。


赤レンガの見事なトンネルです。


和風建築がいきなり目の前に。将校の宿舎跡ということで、快適さが全面に押し出されていたようです。



今度は探照灯跡に向かいます。四つ辻を南に。



不思議な石柱が延々と続いています。当時の送電線の跡なのでしょうか?


森に埋もれたような探照灯跡。


聴音所跡とは違い、とても小さな設備です。


ここからもう少し東の南垂水キャンプ場に向かって降りていきます。


途中には岩に穿たれたような小さな洞穴も。防空壕的な使い方もされたのでしょうか?


長く急な下り坂を下りきると、目の前が一気に開けます。南垂水キャンプ場です。


この日は大きめの若者グループら数組がキャンプをしていました。


不思議なオブジェも。


このストーンサークルのようなものはキャンプファイア場でしょうか。



キャンプ場の南側は気持ちのいい海岸になっています。泳ぐにはちょっと危険そうですが…。


このキャンプ場には修験道の信者によって開かれた不動明王を祀る神社「友ヶ島不動明王」があります。神社自体は昭和後期の建立と新しいのですが、元々は役小角1200年前に葛城二十八宿の修験道を開いた際の第一宿に定めたのがこの友ヶ島。虎島には今も「序品窟」「観念窟」などの行地跡が残されています。



ここから桟橋まで戻ることにしたのですが、残念なことにおそらくはキャンプ客の所行であろうと思われる大量のゴミが道の下に投棄されていました。潮流の関係で海岸にゴミが打ち上げられるのは致し方ありませんが、これはほんとうに酷い。こうしたことが続けば、景観を守るためにいつかBBQやキャンプも禁止されてしまう可能性もあります。ゴミの持ち帰りという人として当然の基本事項を守れない愚か者は自然の中に遊びに来る資格は一切ありません。



桟橋に戻ってきました。ハイシーズンのため、帰りの連絡船は既に満員。50分後の次の便の整理券を渡されました。入島者数は管理しているため荒天以外では全員連れて帰ってくれることになっていますが、帰り時間を気にするなら早めに戻って整理券をもらっておいた方がよいです。


来た時はスルーしてしまった野奈浦広場でゆっくりすることに。敷物があると何かと便利です。


波の音を聴いたり辺りを散歩しているうちに出航の時間になりました。実質5時間程度の滞在でしたが、この上なく大満喫できました。島の東側には深蛇池や第四砲台跡、そして修験道の行地跡が残る虎島などがありますが、そちらはぜひご自身で探検してみてください。


◆島を訪れるにあたって
まず大づかみに言うと、この友ヶ島はダンジョンです。「『海に落ちたラピュタ』という島嶼型ダンジョン」と考えるといろいろすっと入ってくるのではないでしょうか?

まず、ダンジョンなので飲食物などは全て持って行かなければなりません。唯一の海の家はダンジョン内なので全ての値段は街よりも高くなります。野営ができるのは2カ所のキャンプ場のみとなり、野営用アイテムのテントはもちろん持参しなければなりません。島内では釣りもできますが、その装備も全て持ち込みです。

島内にはいろいろな遺跡などのポイントがあり、冒険者であるあなたはそれらを踏破していくと考えましょう。潮位によって道が閉ざされる役小角ゆかりの行地跡、旧日本軍の砲台や軍事施設の跡地、廃墟となった旅館や食堂、子午線の走る広場、現役の航空保安無線施設などなど、歩くのに魅力的なスポットが満載です。

なお、モンスターとしては野生化した鹿、レアな孔雀、毒を持つマムシなどが存在しています。砲台跡の地下に生息するカマドウマの群れも耐性のない人には強敵かもしれません。

ダンジョン探索中に出会う他の冒険者パーティを見てみるのも面白いもの。カップル、グループ、ファミリー、サークルなど多種多様ですが、ソロプレイヤーは心折れないように気をつけてください。

◆そんな装備で大丈夫か?
持ち物としては事前に昼食とスナック程度の食べ物、これからの季節は最低1リットル程度の飲み物は必須。昼ご飯を海の家で食べるつもりでも、熱中症を避けるために飲み物は欠かせません。気に入ったところでゆっくりするのに敷物や布があるとよいかもしれません。

服装としては脱ぎ着のしやすいもの。日差しが強かったり風が強い時のことを考え、暑い日でも長袖があると便利です。帽子と汗ふき用のタオル、サングラスなどもあるとよいです。靴もヒールのあるものや革靴などは避けた方が無難。よほど全力で動くのでなければスニーカー程度で問題はありません。季節によっては虫除けや日焼け止めもお忘れなく。

それ以外はキャンプであればキャンプ道具、釣りであれば釣り道具、レイヤーさんであればコスプレ道具など、それぞれご自身で持ち込んでください。繰り返しになりますが、島内で買い物はできません。

◆訪れる季節
季節によって友ヶ島汽船の運航本数は大きく増減します。通常は1日4便ですが、冬期には1日2便まで減り、GWと夏期休暇期間は6便まで増加します。場合によっては取材班が訪れた日のようにピストン輸送を行う場合も。

冬はおそらくとんでもなく寒いですし、夏はかなりの暑さになります。今の時期がベストではありますが、人が多く船待ちに時間が掛かるのが難点。静かに過ごしたいのであれば平日の方が無難です。

◆最後に
友ヶ島を「ラピュタ」と呼ぶのはジブリファンの観光客が勝手に始めたのだと思っていたのですが、加太港の友ヶ島汽船の桟橋にこんな名前の船が止まっていたことを考えるとある意味「公式」とも言えるのかもしれません。


というところで、友ヶ島の魅力、お分かりいただけたでしょうか?友ヶ島に行く前と帰りがけに、連絡船に乗る加太の街でも面白いスポットがありましたので追って紹介しますのでお楽しみに。

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